JRMA 一般社団法人 日本鉄道車両機械技術協会

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省令第83条の解釈基準 基本項目と使用用途例

1. 車両の電線及び機器等

電線 アークを発生または発熱するおそれのある機器に近接又は接続するもの 極難燃性(不燃性を含む。以下同じ。)の材料で覆われていること。
上記以外のもの 難燃性(極難燃性及び不燃性を含む。以下同じ。)の材料で覆われていること。 ただし、混触又は短絡のおそれのないものにあっては、この限りでない。
電気機器アークを発生または発熱するおそれのある機器 床壁等から隔離し、必要に応じその間に絶縁性かつ不燃性の防熱板を設けること。
内燃機関を有する車両 機関は床壁等から隔離し、必要に応じてその間に不燃性の防熱板を設けること
排気管の煙突部分と車体の間の断熱強化を図ること。(排気管の煙突部分等の損耗等により漏火した場合においても車体への類焼を防止する構造とすることをいい、例えば不燃性の防熱板を設けた構造をいう。

2. 旅客車

部位 一般旅客車 地下鉄等旅客車及び
新幹線旅客車
特殊鉄道(備考10)
  モ ア ム サ フ
屋根 屋根
(備考1)
金属製又は、金属と同等以上の不燃性(備考2) 不燃性 ○ モ
準
    モ
準
金属製又は金属と同等以上の不燃性     ○    
屋根上面 難燃性の絶縁材料で覆われていること(架空電車線(特高圧の電車線を除く)区間を走行する旅客電車に限る)   ○ ○    
屋根上面に取り付けられた機器及び金具類 取付部が車体に対して絶縁され、又は表面が難燃性の絶縁材料により覆われていること(架空電車線(特高圧の電車線を除く)区間を走行する旅客電車に限る)   ○ ○    
外板 妻部 難燃性
表面の塗装(備考6)には不燃性の材料を使用すること。
不燃性
表面の塗装(備考6)には不燃性の材料を使用すること。
○ モ
準
    モ
準
妻部以外 不燃性又は表面が不燃性の材料で覆われたもの(備考3)であり、表面の塗装(備考6)には不燃性の材料を使用すること。 不燃性
表面の塗装(備考6)には不燃性の材料を使用すること。
○ モ
準
    モ
準
客室 天井 不燃性又は表面が不燃性の材料で覆われたもの(備考3)であり、表面の塗装(備考6)には不燃性の材料を使用すること。 不燃性
放射熱に対する耐燃焼性を有し、かつ、耐溶融滴下性があること。 (備考5)
表面の塗装(備考6)には不燃性の材料を使用すること。
不燃性
表面の塗装(備考6)には不燃性の材料を使用すること。
地
準
○
(備考4)
    地
準
内張 不燃性又は表面が不燃性の材料で覆われたもの(備考3)であり、表面の塗装(備考6)には不燃性の材料を使用すること。 不燃性
表面の塗装(備考6)には不燃性の材料を使用すること。
○ モ
準
    モ
準
断熱材及び防音材   不燃性 ○ モ
準
    モ
準
床 床 煙及び炎が通過するおそれの少ない構造 ○ モ
準
    モ
準
床の上敷物 難燃性 ○ モ
準
    モ
準
床上敷物下の詰め物(備考7)   極難燃性 ○ モ
準
    モ
準
床板   金属製又は金属と同等以上の不燃性(備考2) ○ モ
準
    モ
準
床下面(備考8) 不燃性又は表面が金属で覆われたもの 不燃性又は表面が金属で覆われたもの、かつ表面の塗装(備考6)は不燃性 表面の塗装(備考6)は不燃性 ○ モ
準
    モ
準
床下の機器箱(備考9)   不燃性、ただし、絶縁の必要がありやむを得ない理由がある場合は難燃性 ○ モ
準
    モ
準
座席 表地 難燃性       ○  
詰め物   難燃性 ○ モ
準
    モ
準
下方に電熱器を設けている場合   発熱体と座席の間に不燃性の防護板を設ける ○ モ
準
    モ
準
日よけ 日よけ 難燃性 普
準
普
準
普
準
普
準
普
準
ほろ ほろ   難燃性 ○ ○     モ
準
備考1
「屋根」とは、車体の上部構造のうち雨樋又は雨切りよりも上の部分をいうが、雨樋又は雨切りが車体中心線から車体最大幅の三分の一の距離より内側にある場合は、車体中心線からそれぞれ車体最大幅の三分の一の距離までの部分をいう。ただし、屋根の一部が妻部の外板と一体となっているものは、当該部分は(2)の表中「外板」中の「妻部」とする。
備考2
「屋根」及び「床」中の「同等以上の不燃性」とは、現在屋根及び床板に使用している金属と同等又はそれ以上の不燃性の性能を意味しており、鉄道車両用材料の燃焼性規格で規定する不燃性とは異なる。
備考3
「表面が不燃性の材料により覆われたもの」には、不燃性でない材料を金属等不燃性の材料によりだき合わせたものを含む。
備考4
案内軌条式鉄道のうち、地下式構造の鉄道及び長大なトンネルを有する鉄道に使用する車両の「天井」は、地下鉄旅客車等の規定によること。
備考5
「放射熱に対する耐燃焼性を有し、かつ、耐溶融滴下性があること」とする材料には、天井材のほか客室上部に設備されている空調吹き出し口等の主要な設備を含む。ただし、材料が小さい等の理由により延焼拡大に影響を及ぼさないものを除く。
備考6
「表面の塗装」とは、多重塗装の場合には最外層の塗装をいう。
備考7
「床上敷物下の詰め物」とは、キーストン構造の床に詰めるものをいうが、金属と金属の間又は金属と床敷物の間に挟まれたハードボード、耐水ベニヤ等もこの規定の詰め物に含まれる。
備考8
床下に設置した機器から発生する熱風が床下面に影響を与えないよう、床下面の下に金属板を取り付けた場合には、当該金属板を「床下面」とみなす。
備考9
「床下の機器箱」には、リレー等のカバーは含まない。
備考10
(2)の表中、特殊鉄道欄の種類の略称は、次のとおりとする。
モ:懸垂式鉄道及び跨座式鉄道
ア:案内軌条式鉄道
ム:無軌条電車
サ:鋼索鉄道
フ:浮上式鉄道

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