協会について

情報公開資料

平成30年度事業計画

事業の概要

当協会は、平成30年度を初年度とし、平成32年度までの3年間を対象とした新たな中期計画に取組みます。

その初年度にあたる平成30年度は、鉄道の安全関係を中心に諸課題や制度面の検討を深化させるとともに、先進技術の鉄道への応用などを目指した取組や蓄積した従来技術の確実な継承・発展のため基礎となる取組みを進めます。

また、各種情報提供、会員相互のコミュニケーションの充実などを通じて、会員各位へのサービスや各種活動のレベルを高めていく方針です。

平成30年度の事業計画を予算の面から見ると、収益の面では引き続き会員増強を図るとともに、調査研究における受託テーマの拡大など、各事業収入の増加に努めます。

なお、法人税等納付後で約2百万円の黒字となるものと見込んでいますが、引き続き一層の収益増と経費節減に努めます。

以下に、平成30年度の事業計画の各項目について、概要を記します。

1.調査・研究、技術・サービス提供事業

平成30年度は、新たに作成した中期計画・中期活動計画に掲げた課題について具体的な展開を図ります。

以下に、中期計画の重点取組み事項である、(1)安全性向上への取組み、(2)技術革新・先進技術への取組み、(3)技術継承のための教育訓練等への取り組み、(4)会員の参加の幅を広げる取組み、ごとの実行計画について述べます。

(1) 安全性向上への取組み

(車両関係)
① 「境界問題に関する調査研究」の推進
境界問題については、引き続いて「冬季のブレーキ性能に関する調査研究」について海外調査により得られた結果等を踏まえ、さらに踏み込んだ検討を進めます。
② 「地域鉄道との活動」の拡大
地域鉄道との活動については、「地方鉄道の車両保守における技術継承研修会」「鉄道事業者に対する有益な不具合情報提供のための取組み」等を実施していますが、特に「鉄道事業者に対する有益な不具合情報提供のための取組み」については、情報の発信回数を増加させると共に、有益情報の活用方法について会員を中心とした勉強会等を開催し、事故防止に一層寄与出来るように取組みます。併せて、地方鉄道においてヒアリングを行うなど、この活動の有益性をさらに高めるよう努めます。
③ 現場立会い交流会の推進
検修技術向上調査研究部会では、現場に直結した現場社員参加型の活動を主体に車両故障防止及び車両保守の品質向上に努めると共に、現場における検修技術の向上を図ります。
④ 「鉄道車両のアンダーシールに関するアスベスト含有分析方法」の調査研究(東京地下鉄:新規)
鉄道車両のアンダーシールに含有されるアスベストの分析方法については、従来用いられていたJIS A1481-2,3と、近年より正確といわれるJIS A4181-1,4の二通りが存在していますが、この双方について調査研究を行い、鉄道車両のアンダーシールの分析により正確で適している方法を探りだします。
(機械関係)
① 「メンテナンス技術小委員会の取組み」の推進
鉄道機械設備の事故・故障事例を10年ぶりに調査・集約及び研究し、事故・故障事例集の充実を図ることにより、事故及び故障の低減並びに新入社員の安全教育の充実を図っていきます。
② 機械検修工事施行技術者資格認定制度の充実
機械検修工事施行技術者資格認定制度のテキストの見直しや試験問題の見直しを実施し、より安全意識の高揚を推進します。

(2) 技術革新・先進技術への取組み

(車両関係)
① 「施設及び車両の定期点検に関する告示第5号(車両の定期点検)等に関する調査検討(車両関係:車両)」の推進(国交省:継続)
「車両関係:電気車」は、平成29年度は主回路用蓄電池の検査・試験について検討を行い解釈基準及び解説の素案を作成し、ハイブリット車両の解釈基準、解説をまとめ報告書を出し終了しました。平成30年度に技術基準検討会に諮問することとなります。
② 「気動車の技術検討及び評価委員会」の推進(JRグループ5社:継続)
JR北海道、東日本、西日本、四国、九州各社でのエンジン・変速機の解体周期延伸を行うため、有識者やJRの実務者からなる委員会を設置し、試験車によるデータ収集等による現状分析や評価を行ってきました。平成30年度は、試験終了車両の解体調査が終了し、その評価を最終検証報告書として委員会に報告し、本委員会を終了することになります。
その後、各鉄道事業者は、その結果を実施基準として、各運輸局に届け出て、運用を開始することになります。
③ 「電子機器等の誤動作防止に関する研究会」への協力
当協会は幹事として、引き続き研究会に提示する資料のデータ分析及び取り纏め等を行います。
④ 「台車の探傷精度向上の調査」の検討(新規)
探傷方法について、鉄道事業者、メーカー等とで検討会の体制を整備していきます。
⑤ 「鉄道車両用電子機器のライフサイクル上の課題の調査検討会(仮称)」の推進
電子機器の劣化傾向や事故情報の共有化を図ります。
⑥ 「今後の車両検修に向けた車両データ活用の調査」の推進(JRTM:新規)
今後の車両検修に向け、CBM導入のための基礎づくりに取組みます。
⑦ 「お客様サービスへの取組み(車両設備)」の推進
お客様サービスの観点から、「お客様サービス調査検討委員会(車両設備)」において、車両設備に関するお客様サービス機器の課題を調査し、今後のお客様サービス機器のあり方について検討します。
⑧ 「検修業務効率化への取組み」の推進
今後、検修従事者の確保が困難になることが想定されるため、検修作業の効率化について「検修現場における生産性向上委員会(仮称)」を計画し、検討を進めます。
また、今後の省メンテナンス車両に対応した車両検修設備の将来像を策定し、設備面からの検修現場の革新を目指す取組みをおこないます。
⑨ 「燃焼試験データ分析と車両構造の観点からみた新たな燃焼性試験」の検討(鉄道総研:継続)
燃焼試験のデータベースを作成し、試験条件の妥当性などの分析を行うと共に、車両構造の観点を含めて、新たな燃焼試験の検討を行います。
⑩ 「日本と欧州における火災対策基準及び鉄道車両材料燃焼試験に関する実態調査」の推進(東京地下鉄:継続)
平成30年度は継続して日本と欧州の鉄道車両材料の対燃焼性能を比較しながらさらに深い調査研究を行います。
⑪ 「鉄道車両用材料燃焼性試験国際基準の調査検討会」の推進
EU規格の国際化に対する国内の動向や、現行の燃焼性試験とEU規格の比較等について継続して検討します。
(機械関係)
① 「昇降機技術小委員会の取組み」の推進
昇降機の停止時間の短縮に関する研究に取組み、お客様のサービス向上策を検討していく研究に取組みます。
② 「ホームの安全確保技術小委員会の取組み」の推進
ホームドアの設置駅が増え色々な課題が発生していますが、それらをひとつずつ整理検討していくことにより、故障が少なくかつコスト低減図れる研究に取組みます。
③ 「エネルギーマネジメント技術小委員会の取組み」の推進
新たに、鉄道事業者において重要な機器室の空調を取り上げ、エネルギーマネジメントを考慮した機器室空調のあり方等に取組みます。
④ 「駅構内ロボットガイドラインの策定」の推進(JR東、JREM:新規)
先端技術への取組みとして、各方面で利用が拡大されているロボットに関する研究について、駅構内の使用を想定したガイドラインの策定について検討を進めます。
⑤ 「燃料電池車に対応する地上設備の基礎研究」の推進(JREM:新規)
鉄道車両において今後利用が想定される燃料電池車両に対応する地上設備の基礎研究について取組みます。
(貨物関係)
① 「車両検修業務の見直し」の推進
現在、列車編成の中から交番検査期限が迫っている貨車を1両ずつ抜き取り、検査を施行していますが、編成車両の全部または2分の1の車両の検査を1日で施行する(編成交検の)可能性について、「貨車の効率的な運用に関する調査研究」として取組みます。
② 「車両検修内容の見直し」の推進(JR貨物:継続)
「コキ107形式及びコキ200形式コンテナ貨車検査周期延伸」「DF200形式ディーゼル機関車の機関検査周期延伸」及び「EH800形式電気機関車の仕業検査周期延伸」に取組みます。

(3) 技術継承のための教育訓練等への取組み

(車両関係)
① 「車両検修設備マニュアル策定作業部会」の推進
「車両検修設備マニュアル策定作業部会」を引き続き開催し、最新の検修設備についても調査記載することとします。
② 「改造設計技術向上のための調査検討」の推進(新規)
顧客ニーズに合った迅速な設計検討と設計技術力及び効率的な改造施工のための改造設計技術力向上を図るための調査検討を行い、成果物として改造設計の手引書を作成することを目標として、今年度は改造設計の実態を把握するとともに、関係各社のニーズを把握するための調査検討会を設置します。
③ 「電車の補助回路システム」の出版
電車の補助回路システムについて有識者による作業部会を開催し、平成30年度及び平成31年度の2年間作業部会を開催し、出版することを目標に作業を進めます。
(機械関係)
① 「機械設備業務を伝承する機械技術継承セミナー」の推進
技術継承への取組みについては、「機械設備業務のマネジメントを伝承するセミナーの実施(若手関係社員向け)」を推進します。
② 「地域特状のある機械設備の技術情報共有」の推進
各技術小委員会として取組んでいない「消融雪設備」「車両検修設備」等の技術情報等の共有化を検討していきます。
(貨物関係)
① 「特大貨物・甲種の鉄道車両等輸送取扱い方解説書」の作成
長大レール等、新たに特大貨物として輸送するものが出来たことや今までの解説書の見直しも含めて解説書を改訂、作成します。
② 「コンテナ貨車検査ハンドブック」の作成(JR貨物:新規)
コキ107形式コンテナ貨車の増備により、コキ50000形式コンテナ貨車が淘汰されるので、教育教材としてハンドブックを作成します。

(4) 会員の参加を広げる取組み

(車両関係)
① 車両保守における「若手管理者を育成するスキルアップ塾」の開講
第3期生について平成29年4月に開講したが、平成31年3月の修了を目指して、受講者個人のスキルアップを図る課題を設定すると共に、効率的なカリキュラムを作成し、受講者の人材受講者の人材育成と連携強化を図ります。
② 「公民鉄関係車両担当課長連絡会」の開催
関東・中部地区の車両担当課長を中心とした定期的な連絡会を2カ月に1回継続実施し、技術情報、保守情報、故障情報などの活発な情報交換を行います。
③ 「全国鉄道事業者車両担当課長連絡会」の開催
JR及び公民鉄関係の車両担当課長による連絡会を平成26年度以降、毎年2回開催し、今年度も継続して実施します。
④ 「公民鉄車両部長連絡会」の開催
公民鉄の車両担当部長連絡会を引き続いて開催し、国土交通省からのご講演や、各社からの情報発信、協会からの情報発信等を行います。
⑤ 「情報共有化」の拡大
「会員の参加を広げる取組み」として、鉄道事業者間や鉄道事業者とメーカー間等との「情報共有化」の各種取組みを拡充します。
(機械関係)
① 「ハンドブック研修会(勉強会)」の開催
数年間にわたる各機械技術小委員会研究活動の成果がハンドブック(報告書)として纏まりました。その内容を会員の皆様により深く学んで頂くため研修会(勉強会)を開催します。
② 「現場の取組み事例発表会」の開催
JR、民鉄、サービス会社等の機械設備業務に携わる現場社員の成果報告の場、聴講者が刺激を受ける場、情報共有の場、自慢の場として、全国ネットで開催します。
③ 公民鉄の機械設備関係者との連携の推進
上記の取組等を基にして、公民鉄の機械設備関係者との情報連携体制を構築していきます。

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2.教育・知識普及活動

(1) 研究発表会及び特別講演会の開催

全国「車両と機械」研究発表会は、「安全・故障防止対策部門」「技術開発・サービス向上部門」「作業改善・提案部門」の3部門に枠組みを改善して以降、この間公民鉄各社やJR北海道・四国・九州・貨物各社からの応募、またメーカーからの応募も、次第に増えてきています。

(2) 「車両と機械」技術セミナーの開催

平成30年度も鉄道固有技術及びその周辺技術に関する8テーマについて、計4回にわたる「車両と機械」技術セミナーを企画し、開催します。

(3) 車両技術講座の体系化

「車両技術講座」については、平成29年度開講した「技術基準」の講座

・技術基準(車両設計)
:車両設計者を対象とした技術基準の解説
・技術基準(車両保守)
:車両保守担当者を対象とした技術基準の解説
・技術基準(基本)
:地域鉄道車両担当者を対象とした技術基準の解説

を引き続いて開講し、平成30年度から新たに次の講座を開講します。

・車両検修(初任者)
:初任者・新任者を対象とした車両検修等の解説
・車両検修(中堅者)
:中堅者を対象とした車両検修等の解説
・安全技術(機械)
:車両構造及び機械関係事故防止の解説
・安全技術(電気)
:電気回路及び電気関係事故防止の解説
・台車の基礎
:台車の構成要素及び台車検修の技術知識の解説

開催箇所につきましては、今年度から参加人員の状況により、地方開催についても検討します。

また、データ統計分析の基礎知識の習得を目指した

・データ分析・統計分析の基礎:稼働時等のデータ分析によるメンテナンス手法の解説

の開講の準備を進めて行きます。

(4) 技術力を客観的に評価・認定する制度の検討

鉄道事業者の技術力を客観的に評価・認定する方法等について具体的に検討を進めます。その結果を生かして、第三者的に技術力を認定する制度の構築について関係箇所との検討を進めます。

(5) 「機械技術継承セミナー」の開催

鉄道事業者及びその協力会社の若手機械設備関係社員を対象に、各社の将来を担う若い技術者にニーズを先取りし課題に挑戦していくこと、現在までの機械設備部門の歴史を伝承すること、また新しい技術の一端と開発事例を紹介することにより、自らが考え行動する一助となることを目指した「機械技術継承セミナー」を開催します。

(6) 鉄道設計技士(鉄道車両部門)受験対策講習会の開催

鉄道設計技士(鉄道車両部門)試験の受験準備を目的に、分野別専門講師による講習会を7月21日に開催するとともに、希望者に対しては作成論文の個別添削指導サービスを実施します。

(7) 第23回海外鉄道調査団の派遣

平成30年度は、イノトランス2018の視察の他、「欧州鉄道と日本企業の調査」をテーマに、英国における旅客鉄道運営事業及び英国における鉄道車両新造事業の視察を行うほか、高速鉄道の試乗、駅設備の調査も実施する計画です。

(8) 専門技術研修の開催

協会で発行する車両関係の技術図書について、執筆者自身による研修会を「専門技術研修」としてこれまで4回実施してきました。今年度も「台車」について関東及び関西で各1回ずつ計画します。

(9) ポスターセッションの開催

多くの会員から希望が寄せられている、最新の技術情報を知る場として、協会会員企業から技術情報を発信して頂くため、定時総会に併施する形で、第4回目のポスターセッションを開催します。

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3.施行資格認定制度・燃焼性試験

(1) 施行資格認定制度

施行資格認定制度については、受講者のデータベース化による関係箇所への適時的確かつ迅速なデータ提供や、顔写真・QRコード付き認定書の発行を行ってきました。

今後、「車両関係車両工事施行技術者資格認定」制度については、鉄道車両保守の重要性と部外委託の状況を踏まえ、適用範囲の拡大について関係者と検討を進めて行きます。

(2) 鉄道車両用材料燃焼性試験

平成29年度の鉄道車両用材料燃焼性試験及びコーンカロリメータ発熱性試験は過去2番目に多い依頼件数を受託しましたが、平成30年度も同程度受託する予定です。

国土交通省が日欧の燃焼試験について比較検討を実施しており、データ提供等を通して引き続き協力していきます。

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4.協会業務運営の強化

(1) 会員サービスの一層の強化

ア.会員サービスの充実
ホームページの活用、メールを活用した協会の情報発信等により、会員へのサービス強化に努めることとします。
イ.支部活動の活性化
地方支部の会員にとって協会との接点は支部活動によります。会員のニーズに応える講演会、見学会、発表会等を開催することにより、会員の皆様にとって身近な協会となるように努めます。

(2) 会員拡大活動の継続

協会活動にとって最も大切な基盤は個人並びに団体正会員の皆様であり、より多くの皆様にご参加頂ける協会でありたいとの願いのもと、協会本部、支部一体となって、会員サービスの充実を図りつつ、JR及び公民鉄の車両関係及び機械設備関係の現場実務者の方々に対しても、会員の入会勧誘に積極的に努めることとします。

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5.協会誌発行

協会誌「R&m」について、4月号から紙面の全面カラー化を行い、幅広い読者層に親しまれる技術専門誌として、新しい研究開発の紹介や技術解説、現場で取り組んでいる諸課題などを幅広く掲載し、充実した内容、判りやすい記述、タイムリーな情報掲載に努めます。

また、会員に、より読まれる会誌とするために、特集記事、企画記事、座談会記事を随時計画していきます。併せて、読者に対する提供情報量拡大の意味も含め、広告掲載企業の拡大に努めます。

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6.各種表彰

平成30年度も、特別功績賞、功労賞、功績賞、優秀技能賞などの表彰を行います。また、全国「車両と機械」研究発表会における優秀な論文・提案の表彰、及び「R&m」優秀記事の表彰なども行い、功績、功労の高い方々を顕彰します。

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7.電子図書館の充実

平成26年4月1日に開設して以来、コンテンツの充実に努めてきた結果、「鉄道工場」、「車両と機械」、「R&m」の各誌に加えて、「全国「車両と機械」研究発表会論文集」、「JRMA海外鉄道調査団報告」、「ポスターセッションにおけるポスター及び説明資料」を、順次閲覧可能にして来ました。

今後もコンテンツの充実を図るなど、より多くの会員の方々に親しまれるよう計画して行きます。