活動実績

業務活動実績

26年度の業務活動実績

 平成26年度は新たに事業運営上の諸課題を議論する場として理事会直属の「事業運営会議」を設け、協会の活動全般に亘って現状を幅広く振り返り、会員のご意見、ご要望を拝聴して協会の進むべき方向性を「中期計画」として取りまとめた。

 以下、平成26年度に当協会が実施した事業等の概要を記す。

1.協会運営体制の強化

(1)「事業運営会議」の設置

 新たに事業運営上の諸課題を議論する場として、平成26年4月に理事会直属の諮問機関として「事業運営会議」を設け、中井副会長に委員長を委嘱するとともに、委員として理事8名、運営幹事3名、計11名の構成とした。

(2)「中期計画」(平成27~29年度)の策定

 当協会設立20周年の節目を迎え、協会活動全般に亘って現状を幅広く振り返り、会員のご意見、ご要望を拝聴し協会の進むべき方向性を「中期計画」としてとりまとめることとなり、理事会の諮問を受け事業運営会議において議論を進めた。

 具体的には、平成26年8月~10月、検討の基盤とするため、個人会員、団体会員各位に対する大規模なアンケート調査(アンケート先1277箇所)を行い、広く会員の皆様からご意見を伺った。また、4回の事業運営会議で議論を行うとともに、2回の副会長会議、2回の支部長会議において意見交換を実施した。

 以上の経過を経て、「協会の目指す方向」「中期的な重点事項」「中期事業計画」の3部構成による「中期計画」を策定するとともに、車両・機械・貨物技術各委員会でもそれぞれの委員会としての調査研究活動の中期計画をとりまとめた。

(3)定款変更

 業務執行体制強化等のため定款変更を行い、副会長の定数を2名増加させ計5名とすると共に、支部体制の明確化を行なった。

(4)支部活動の活性化

 会員台帳・会計処理システムを開発導入し、会員管理業務と会計処理業務の効率化等を図った。また、支部長の選任手続き、支部交付金制度の取扱い、支部長会議の開催等支部活動の基本事項に関して見直すとともに規程を整備した。
 さらに、個人会員の皆様と協会との重要な橋渡し役を務めて頂いている各職場の職場相談員等の制度化を図り、規程を整備した。

(5)総会運営の充実
ア.「特別講演」の実施

 平成26年度の総会から会員サービス向上の一環として、総会開催時に「特別講演」を実施することとした。平成26年度は、東海旅客鉄道株式会社の代表取締役副社長森村勉様に「新幹線開業50周年を迎えて」と題してご講演を頂いた。

イ.委員長による委員会の活動報告の実施

 同じく平成26年度の総会から、協会活動の柱である調査研究活動に関して、各委員長から総会開催時に報告を頂くこととした。平成26年度は、車両委員会の遠藤委員長、機械委員会の高橋委員長から報告を頂いた。

(6)理事会運営の充実

 理事会において、手塚「R&m」編集委員長から、協会誌「R&m」読者アンケートの結果およびアンケートで示された読者のご要望の紹介および今後の編集方針の報告、東濱JRMA海外調査団団長等から海外調査実施報告、車両委員長および機械委員長より委員会事業報告並びに発行図書、研修テキスト、各種報告書等の配布を行うなど、理事会運営の充実を図った。

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2.調査研究及び試験事業

[ 自主事業 ]

(1)車両関係

 鉄道における安全・安定輸送が強く求められる中、車両関係における調査研究としては、これまでも特に品質向上と技術継承を主要なテーマとして取り組んで来ている。

 平成26年度においては、車両委員会の下で平成25年度に新たに取り組んだ課題を持続的に確実な成果に結びつけていくと共に、関係個所から期待される諸課題に積極的に取り組んできた。以下にその概要を示すが、それとともに、平成27年度からの3年間を対象とした調査研究活動の中期計画(基本的考え方、実施件名(案)等)を策定した。

ア.車両に係る品質向上

 平成25年度に引き続き、品質向上に関する部会テーマとして「電子機器装置の検修における信頼性向上の取り組み」について、作業部会で議論・検討し平成27年3月に活動成果をまとめ上げ完了し、報告書を関係個所に配布した。

イ.車両に係る技術継承

 ①「主回路シリーズ4(集電装置)」の出版物の刊行
 進歩の著しい最新車両技術の代表的な主回路及びその関係機器を対象に、JR西日本殿からの受託事業により平成21年度までにまとめた報告書を元に、車両委員会の「技術継承部門」で平成25年度から執筆活動、編集を行っている「鉄道電気車両主回路シリーズ4(集電装置)」を、平成27年3月に刊行した。
 また、新たに「台車」出版物刊行のための作業部会を立ち上げ、執筆活動、編集を進めている。

 ②車両関係「現場管理者等を養成するスキルアップ塾」の開設
 平成25年度から、鉄道事業者の中堅技術者を育成するため、当協会が主催して21名(途中から20名)の受講者に対し、講義・演習等を実施してきた。
 開設期間は2年間で、平成26年度にも6回開催し、学習の成果として個人及びグループ毎に報告書を作成し、平成27年3月に第一期生の修了式を終え、平成27年度から新たに第二期生を募集する計画を進めている。

 ③「地方鉄道の車両保守における技術継承研修会」の開催
 平成21年度から4年間にわたり「地方鉄道」の実態をアンケート調査などにより把握し、課題と対策をまとめてきた。その結果を反映した「車両保守に関わる研修テキスト」(気動車編)が完成したので、平成25年度から気動車について地方鉄道を対象に講習会を実施している。

 平成25年度は関東・東北・北陸信越エリアの地方鉄道を対象に、当協会主催、JR東日本協賛、国土交通省後援により、エリア毎に区所の現場で現車を前にし、担当されている社員の方から説明を受ける形で、計4回の研修会を開催した。

 平成26年度は、JR西日本、JR九州、JR東海、JR四国各社の協賛により、近畿・中国・九州・中部・四国エリアで同様な研修会を開催した。

ウ.鉄道事業者共通課題の定期的情報・意見交換

 平成25年度に引き続いて、公営・民営鉄道事業者の車両担当部長の連絡会を本部主催(近鉄幹事)で開催した。また、JR東日本、関東・中部地区の公営・民営鉄道事業者の車両担当課長を中心とした定期的な連絡会議を前年度に引き続き2ヶ月に1回開催し、技術情報、保守情報、故障情報などの活発な情報交換を図り、併せて、協会活動の情報発信も行ってきた。
 さらに、関西地区の鉄道事業者の担当者レベルでの情報交換、課題の抽出・対策の検討、開催地での事業所見学会等を行う車両担当者連絡会を、関西支部主催で引き続き開催した。

エ.全国鉄道事業者車両担当課長連絡会の開催

 各鉄道事業者が従来から取り組んできた技術情報や保守情報等の共有化を行い、事故防止の向上や効率化を図ること等を目的として、平成26年度から新たに、全国の鉄道事業者の車両担当課長を対象とした連絡会議を、5月、11月に開催した。

オ.電子機器等の誤動作防止に関する研究会への参画

 湘南モノレール事故に関する運輸安全委員会の意見に沿って、事業者及び設計製造会社等の電子機器等の故障防止関係の情報の共有化を目的としたノウハウ集を整備する研究会が、国土交通省に設置され活動が行われてきた。当協会はその研究会の幹事として、資料のデータ分析及び取りまとめに参画し、その成果として対策事例集が、平成27年3月に国土交通省から発行された。

カ.車両関係工事施行技術者資格認定制度の見直し

 平成27年度からの資格認定制度のシステム化に向けて、臨時と定例の2回の資格認定運用管理者会議を開催し、認定証のカード化等に対してJR各社からの問題点を討議し、一定の統一化を図った。

キ.鉄道車両用材料燃焼性試験等の実態調査検討会の開催

 当協会の車両用材料燃焼性試験は、車両の火災対策として安全性を支える重要な業務である。そこで、他分野(鉄道車両以外や海外)における燃焼試験の知見を広めるとともに、現状の試験内容の詳細に関して文書化を図り、申請者が利用しやすい燃焼試験とするための実態調査検討会を立ち上げ、平成26年9月、12月に検討会を開催し、今後2年間の活動目的、活動内容等について検討を行った。

(2)機械関係

 近年、鉄道において安全性、快適性、バリアフリー、環境問題等に対する社会的ニーズが非常に高くなってきており、ホームドアや昇降機、空調等の機械設備が加速度的に増加している。

 一方で設備の老朽化や設備増に対応して効率的なメンテナンスのニーズが一段と高くなっている。
 また、平成26年度から、新設のエスカレーターや老朽化が進み更新時期を迎える昇降機に耐震対応が求められ、既設のエスカレーターの対応も含め大きな課題となっている。

 このような中で、鉄道における機械設備は、その使用条件・施工条件などで特殊な場合が多く、鉄道事業者、メーカー、工事・サービス会社間の連携が不可欠の状況になっている。そのため、従来から機械委員会において各技術小委員会を設置して、分野別に検討を進めることによって課題解決に一定の成果を出してきているところである。

 平成26年度は、常にお客さまや社会のニーズに対応していくことを念頭に、機械委員会の下で策定された中長期ビジョンに沿って、以下の活動を実施した。

 また、中長期ビジョンに基づき、平成27年度からの3年間を対象とした調査研究活動の中期計画(基本的考え方、実施件名(案)等)を策定した。

ア.機械企画小委員会

 機械委員会のサポートを行うとともに、教育及び知識普及活動の一環として、若手機械関係社員を対象とした技術伝承についてセミナーを引き続き実施した。
 また、最新技術等の見学会についての検討を進めた。

イ.エネルギーマネジメント技術小委員会

 より効率的なエネルギーマネジメントを実施するために、平成16年からエネルギーマネジメント技術小委員会において鉄道施設内における中小規模建築物のエネルギーマネジメント手法について研究を行っているが、本年度も引き続き中小規模駅や現業事務所の空調設備を対象に調査研究を実施した。

 具体的には、

 ・省エネルギーを取り巻く最新の情勢の分析

 ・中小規模設備(駅・駅ビル・事務所ビル等)のエネルギーマネジメント

 ・鉄道施設への展開

 ・鉄道施設へのZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化の検討

 等に取組んだ。

ウ.機械設備メンテナンス技術小委員会

 ICTを活用した効率的なメンテナンスを研究し、今後のメンテナンス手法の革新に向けて提言するため、一般企業でICTを活用した効率的なメンテナンスにより、大きな効果を上げている事例を研究した。

エ.昇降機技術小委員会

 新設や更新時期を迎えるエスカレーターは、平成26年度から耐震対応が求められ、既設のエスカレーターの対応も含め大きな課題となっている。

 昇降機の取替えや大規模な改良工事は、使用を休止して実施しなければならないため、短期間での施工が望まれるが、施工上の制約が多く、かなりの時間と費用がかかっている。
 本年度は、引き続き駅のような環境でもリプレイスしやすい昇降機の研究を各社の事例を基に行った。

オ.ホームの安全確保技術小委員会

 ホームの安全性向上を目的とした設備には、点字ブロックをはじめとして各種のものがあるが、中でも可動式ホーム柵は最も有効な設備として設置が進められている。

 そこで、各鉄道事業者が導入している可動式ホーム柵を調査し、各種仕様や機能などがわかる手引きを作成することを目的に、平成24年度末に本小委員会を設立して活動を開始した。平成26年度は、昨年度に取り決めた各鉄道事業者に対するアンケート調査や現地調査、メーカー調査を実施した。

(3)貨物技術関係

 平成26年度は、貨物技術委員会の下で以下の活動を実施した。

ア.貨車の効率的な運用に関する研究

 ①回送待ち等運用ロス解消の研究
 定期検査のため、列車編成から抜き取った貨車の検修基地への回送及び検査完了貨車の運用基地への回送の際、回送待ちや検査待ち等の運用ロスを解消するための方策について調査研究し、報告書作成の検討を行った。

 ②貨車の編成交検の可能性の研究
 現在貨車の交番検査は列車編成の中から検査周期を見て1両ずつ抜き取って検査を施行し、検査が完了した貨車は予備車として留置し、列車編成の中から検査のために抜き取られた他の貨車の補充に充てられている。そのため入換作業は複雑になり、予備車の使い方も偏ったものになっている。編成交検が実施できれば、入換作業は大幅に減少するとともに、簡素化できると考えられる。また、予備車を含め貨車の使用方も均等化できると考えられる。
 このため、今まで編成交検が出来なかった原因を調査し、その実現に向けた研究に着手した。

イ.駅社員に対する入換作業等の教育資料作成

 貨物駅の社員には入換作業をはじめブレーキテスト、組成検査、積付検査等技術的な知識が要求される。しかしながら社員に対する教育には統一されたものが無く、各現業機関により内容が異なっているため、他の現業機関では通用しない場合もあるので、何処でも使える基本的・標準的な教育資料について作業別に分けて3年間で作成することとし、2つの資料を作成した。

[ 受託事業 ]

 平成26年度の主な受託調査研究は、以下のとおりである。

(1)鉄道及び軌道の技術基準の運用状況等に関する調査検討(車両関係)(国土交通省:継続)

 平成25年度に引き続き、平成26年度も公開競争入札に応募し、受託できるように努めた結果、平成26年度は鉄道に関する技術基準の見直しに関して、有識者や鉄道事業者 からなる2つの検討作業部会「車両関係:車両」、「車両関係:気動車」を設置し、基準の運用状況を調査して平成27年3月に国土交通省に報告書を提出した。

(2)気動車の技術検討及び評価委員会(エンジン・変速機の検査内容見直し)(JRグループ5社:継続)

 JR北海道、東日本、西日本、四国、九州各社で将来のエンジン・変速機の解体検査周期延伸を行うため、平成22年度から技術検証等を行う検討会を開催してきている。
 平成26年度は、平成25年度に引き続き、気動車のエンジン・変速機の検査内容を見直すために、有識者やJRの実務者からなる委員会を設置し、試験車によるデータ収集等による現状分析や評価方法等について、委員会・幹事会を各1回、事務局会議を3回開催し、審議・検討が行われた。

(3)車両保守における技術継承の研修評価と研修テキスト(電車編)の作成(国土交通省:新規)

 平成25年度、26年度と実施してきた気動車の技術継承研修会の評価をし、今後の研修会に反映するための評価会の立ち上げと、平成25年度に製本化した気動車編に引き続き、要望の多い電車編を、JR各社、民鉄の協力も得てプロジェクトを立ち上げ、平成27年3月に研修評価結果の報告書と研修テキストを作成し、国土交通省へ報告・提出を行った。

(4)「車両不具合情報の共有化の検討部会」の設置(国土交通省:新規)

 国土交通省の支援の下に、全国のJR、大手・中小民営鉄道事業者から車両の不具合情報の中でも特に他事業者にとっても有益と思われる細部情報の提供を受け、日本鉄道車輌工業会や関係団体と連携するなどして、情報価値を更に高めた上で、各鉄道事業者に再発信する等により、不具合情報共有化の進展を図る可能性について検討するための作業部会を3回、評価会を4回開催し、その検討結果を報告書としてまとめ上げ、国土交通省に提出した。

(5)車両の電子化・情報化の進展に伴うライフサイクル上の課題(ジェイアール西日本テクノス、JR東日本テクノロジー:新規)

 今後の車両技術開発を展望して、車両の電子化、情報化の進展に伴い、車両の設計、製造、運用、メンテナンスにどのような課題が発生するか、また、それらに対してどのように対策していくべきか、について今後3年計画で体系的に取りまとめていくための調査研究委員会を立ち上げ、平成26年度として委員会を2回、作業部会を2回開催し、受託先2社に対して今年度の成果として報告書をまとめ提出報告した。

(6)鉄道駅設備における今後のメンテナンスのあり方(JR東日本メカトロニクス:新規)

 ICTの発達に伴い、機器に設置されたセンサー等から得られる監視データや、点検・修理・予防保全処置時に得られるデータなどを活用することで、合理的メンテナンスを実現し、ライフサイクルコストの削減とサービス性の向上を図ることが求められるようになっている。本研究では、改札機とエスカレーターを対象に過去のメンテナンスデータを分析し、個々の機器の稼動状況と故障発生状況を考慮した、より効果的な予防保全方式を提言した。

(7)既設エスカレーターの落下防止対策(JR東日本メカトロニクス:新規)

 既設エスカレーターの落下防止対策の指針が検討中で示されていないことから中止した。

(8)貨車の検査成績表の作成 (JR貨物:新規)

 貨車の検査成績表は各支社、各現業機関により独自のものが作成されているが、それぞれ得意分野は詳しく、不得意分野は簡単になり統一されたものになっていない。そのため、何処で検査したものでも、誰が見ても判るように統一した検査成績表の作成について事前検討会を2回、作業部会を9回開催し、検査成績表(コキ100系)を作成した。

(9)車両逸走防止装置の研究開発(理研金属工業:新規)

 車両の留置には、車両基地や貨物駅等の構内で留置する場合と出先での滞泊等で留置する場合があるが、手歯止めを使用することが多い。手歯止めの撤去を失念した場合には車両脱線事故につながる。現在車両に搭載している手歯止めは昭和30年代に国鉄で開発された車両用手歯止めであるが、重くて作業がし難い等の問題から現状を調査し、新しい手歯止めの研究開発を検討した。

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3.技術認定試験事業

 平成26年度は、車両関係で1,624名、機械関係で3,487名の受講、受験の申し込みがあった。
また、車両関係では受験者の受験履歴等のデータベース構築および認定証発行等の認定試験事務作業の効率化を図るため、支援システムの開発を進めるとともに、認定証のプラスチックカード化等の見直し検討を進めた。

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4.鉄道車両用材料燃焼性試験事業

 この数年、鉄道車両用材料燃焼性判定試験の依頼が増加傾向にあったが、平成26年度にも1,460件(コーンカロリーメータによる試験90件を含む)の受託があった。

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5.教育及び知識普及事業

(1)全国「車両と機械」研究発表会及び特別講演会の開催

 国土交通省の後援を得て、JR各社をはじめ、公営・民営鉄道及び関連グループ会社、関連メーカー等に各職域の優秀な論文と提案の発表会への参加を呼びかけた結果、論文は61件、提案は20件とほぼ前年度並みの応募があった。
 発表論文は選考部会において20件を、提案は5件を選考し、平成27年2月19日、20日に発表会を開催した。

 論文では、最優秀論文に評価された 西日本旅客鉄道株式会社 宇佐美恵佑氏他3名による「着氷霜害による列車遅延の低減への取組み」に「鉄道局長賞」を、それに次ぐ論文に評価された北海道旅客鉄道株式会社 武隈利彦氏他3名による「183系特急気動車エンジンブロック破損防止対策」に「会長賞」が授与された。また、優秀賞2件、優良賞2件、特別賞2件、奨励賞12件を、提案では優秀賞1件、特別賞1件、奨励賞3件を表彰した。

 併せて、特別講演会を開催し、東京交通サービス㈱代表取締役社長室木鉄朗様から「元安全統括管理者から見た運輸安全マネジメントとヒューマンエラー対策」と題して講演をいただいた。

(2)「車両と機械」技術セミナーの開催

 鉄道固有技術及びその周辺技術に関する8テーマについて、9月4日、10月2日、11月6日、12月16日の計4回開催し、交通安全環境研究所、広島電鉄、東日本旅客鉄道、西日本旅客鉄道、新明和工業、川崎重工業、東芝エレベータ、鉄道総合技術研究所の皆様からご講演をいただいた。また、関西においても3月6日に開催した。聴講者は延べ326名であった。

(3)「機械技術セミナー」の開催

 鉄道事業者及びその協力会社の若手機械関係社員を対象に、企画力育成を目指した「機械技術セミナー」を開催した。

(4)鉄道設計技士「試験区分 鉄道車両」受験対策講習会の開催

 鉄道設計技士(鉄道車両部門)試験の受験準備を目的に、分野別専門講師による講習会を7月5日に開催した。40名と、多数の参加をいただいた。

(5)第19回海外鉄道調査団の派遣

 平成26年度は、東濱 メトロ車両株式会社代表取締役社長を団長とする22名の調査団を派遣した。派遣先としては、イノトランス2014の視察に加えてドバイの世界最長無人運転地下鉄、ICE(ドイツ)及びRenfe(スペイン)車両基地への訪問、ドバイの世界最高層ビル内エレベータ及び各国駅設備の視察等を、9月23日から10月2日まで10日間の行程で実施した。
 調査結果について、11月の理事会に報告するとともに、報告書にまとめた。

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6.刊行物発行事業

(1)協会誌「R&m」の刊行

 幅広い読者層に親しまれる技術専門誌として、新しい研究開発の紹介や技術解説、現場で取り組んでいる諸課題などを掲載し、充実した内容、判りやすい記述、タイムリーな情報掲載に努めるために、アンケートで読者の要望等を具体的に把握し、編集に反映するように努めた。その結果、鉄道車両技術の分かり易い連載講座を開始し、また公民鉄各社、メーカー各社、メンテナンス各社単位で小特集的に記事を掲載するなど、読者にとって読み易くかつ有意義な記事作りを目指す仕組みが出来つつある。併せて、協会誌への広告掲載の勧誘に努めるべく、広告ワーキングを新設し、会員企業のご協力をお願いした。

(2)「鉄道電気車両主回路シリーズ(集電装置編)」の出版

 進歩の著しい最新車両技術の代表的な主回路及びその関係機器を対象に、JR西日本殿からの受託事業により平成21年度までにまとめた報告書を元に、車両委員会の「技術継承部門」において検討し、「鉄道電気車両主回路シリーズ(集電装置編)」の作業部会で執筆作業を進めてきたが、平成27年3月に図書として刊行した。

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7.表彰

 平成26年6月17日の定時総会開催日に、平成25年度表彰として、手塚清憲氏に特別功績賞を贈呈するとともに、功労賞20名、功績賞5名、優秀技能賞29名の方々と、「R&m」の平成25年中の掲載記事の中の優秀賞5件、特別賞1件を表彰した。

 また、平成27年3月25日に開催された表彰選考委員会で、平成26年度表彰として、片方威氏に特別功績賞を贈呈するとともに、功労賞20名、功績賞5名、優秀技能賞30名の方々の表彰が決定した。また、平成27年2月のR&m編集委員会で、平成26年の「R&m」掲載記事の中から優秀賞5件、特別賞2件が選考された。これらの方々に対する表彰は、平成27年度定時総会後の表彰式で行う。

 なお、平成26年度の全国「車両と機械」研究論文発表会における優秀論文・提案の表彰は、平成27年2月19,20日に実施された発表会後に実施済である。

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8.設立20周年記念事業の継続

 当協会設立20周年記念事業のうち、国内研修、海外研修は2年間継続することとしており、計画通り平成26年度も2年目の事業として実施した。海外研修については各支部から推薦を受け、台湾鉄道事情の視察に13名の参加を得て実施した。国内研修については、各支部間相互交流を図るため、各支部独自主催の研修に45名の参加を得て、有意義に実施した。

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9.電子図書館開設と充実

 平成23年7月26日に設立委員会を立ち上げて以来、よりよい電子図書館の構築を目指して、対象図書の選定、著作権の取り扱いに関する検討、執筆者からの承諾書の収集等を行うとともに、電子図書館システムの基本設計や収蔵すべき図書類の電子化を行ってきた。

 その結果、平成25年度末に第1期として協会誌の一部を収蔵した電子図書館を開設したが、平成26年度は引き続き収蔵すべき図書類の電子化を進め、併せて「電子図書館管理委員会」を設け運営体制も整備して、既刊協会誌各号の全文閲覧を可能とし会員サービス向上を図った。

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10.会員の動向

 平成27年3月末現在の団体正会員は916社(対前年度3社増)、個人正会員は6,831名(対前年度55名減)となった。