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令和2年度「車両と機械」技術セミナーの開催(9月18日更新:赤字部分)

 本セミナーは、鉄道関係業務のうち、鉄道車両及び鉄道周辺機械設備に関連しておられる
技術者の方々を対象に開講しています。保守・設計・開発をしている関係技術者の方々の業務上
での参考になることを目的としたものです。講演テーマは前記の鉄道車両及び鉄道周辺機械設備
に関連するものから、基礎知識的に必要と桃われる分野、最近話題になっている先端技術分野の
ことまで、幅広い分野のテーマを取り上げています。今年度も下記のとおり、4回に分けて8テーマ
を計画しておりますので、多数の皆様にご参加頂きますようご案内します。
                    記
1. 開催日時および演題・講師

  第1回  9月 9日(水) 13:30~16:50
       No.1 車輪・レール間の粘着と車両のブレーキ
          株式会社 テス
           代表取締役社長
           小原 孝則 様

       No.2 世界のドローンビジネス・技術動向と国内法制度の取組み
          一般社団法人 ドローンコンソーシアム
           会長
           野波 健蔵 様
  第2回  10月1日(木) 13:30~16:50   定員に達しました

       No.3 英国における鉄道事業展開(仮題)
           株式会社日立製作所 鉄道ビジネスユニット
            ジャパンイニシアティブ統括本部
            グローバルセールス本部 海外営業部
            部長代理
            松沢 芳尚 様

       No.4 JR東海の新幹線検修の取組み(仮題)
           東海旅客鉄道株式会社
            総合技術本部 技術開発部
            チームマネージャー
            西村 恭一 様
  第3回  11月 5日(木) 13:30~16:50

       No.5 軌道の基本と最近の技術開発(仮題)
          公益財団法人鉄道総合技術研究所
           軌道技術研究部 軌道管理研究室
           主任研究員(上級)
           西本 正人 様
      No.6 車輪・レール接触力の常時監視による車輪・レール系境  界課題解決の提案
          東京地下鉄株式会社
           鉄道本部 車両部
           技術開発担当部長
           谷本 益久 様
  第4回 12月3日(木) 13:30~16:50

      No.7 警備ロボットへの画像解析技術の開発と実装までの道のり(仮題)
          セントラル警備保障株式会社
           開発推進本部 研究開発部
           部長
           田中 俊秋 様
       No.8 ユーザー視点におけるサービスロボット実装導入への取組みと課題
          株式会社JR東日本商事
           AI・ロボティクス推進部長
           大野 誠一郎 様
2.場 所
       虎ノ門法経ホール 大ホールAB(虎ノ門法曹ビルB1F)
         東京都港区西新橋1-20-3 Tel 03-5501-2750
3.募集人員
       各回50名(定員に達し次第締切とさせて頂きます。)
4.参 加 費 
       (1) 4回連続聴講の場合は26,180円/4回分一括払いです。(税込価格)
        (4回分でお申し込みの場合、会員・会員外の方の参加費は同じです。
         また4回分一括払いの聴講券で一度に4名までの聴講ができますので、
         参加される御希望回を選定してください。)
       (2) 1回毎の聴講の場合は7,370円です。会員以外の方は8,360円です。
                             (いずれも税込価格)

5.参加申込み
       (1)E-mailまたはFAXにより参加者または申込者の会社、所属、連絡先住所、
        メールアドレスおよび電話番号を記載のうえお申込み下さい。
        参加費のお支払いは、参加者または申込者への受講票の送付と合わせてお知らせ致します。
       (2)申込先    〒105-0003 東京都港区西新橋1-19-4 難波ビル5F
                 (一社)日本鉄道車両機械技術協会
                   担当 技術企画部  多田 晴美
                    E-mail: tada-h@rma.or.jp
                         TEL 03-3593-5611 
                         FAX 03-3593-5613
6.申し込み書
  申し込み時のお願い
   4回連続聴講券は1回ごと1枚づつでも、特定の1回に4名様聴講でも、いかようにも
   分割可能です。
   ただし、申し込みの際に実際に聴講する回と人員を『申込別』の欄に記入して下さい。

 

【講演概要】
 (第1回 9月9日)
No.1 車輪・レール間の粘着と車両のブレーキ
 鉄道車両のブレーキは、車輪・レール間の力の授受からなる粘着ブレーキとそれによらな
い非粘着ブレーキに分けられる。空力ブレーキやレールブレーキに代表される非粘着ブレーキ
は特定の目的で付加的に使用する例が多く、一般的な車両は粘着ブレーキのみで構成される。
従って、ブレーキを論ずる際、「粘着」を理解することは非常に重要なことと考えられる。
 そこで本講演では、まず「粘着」と呼ばれるものに関して車輪・レ―ル相互の接触面間での
現象からとらえるとともに、粘着力の有効利用や粘着力増大手法を原理的な部分から触れた
うえで、実際に適用した例を解説する。次に機械ブレーキを中心に、求められる性能を確認
したうえで簡単な発展の歴史を振返り、最近のブレーキシステムを簡単に紹介する。さらに、
高度な制御に追従させるためにも安定したブレーキ力が得られるディスクブレーキや踏面
ブレーキが求められており、それらの発展を紹介する。
No.2 世界のドローンビジネス・技術動向と国内法制度の取組み-
 本講演は、まず世界のドローン産業をビジネス・利活用動向について現状と近未来の市場
の大きさや応用分野の最前線を俯瞰します。この中で、新型コロナウイルス感染防止のため
のドローン活用などの紹介をします。また、物流ドローンなどでの世界の先進的な事例を
紹介します。さらに、ドローンの大型化によるパッセンジャードローンの激烈な競争も
紹介します。とくに、世界と日本での微妙な応用分野の違いなどを考察しながら、日本
ドローン産業の世界の中での立ち位置や課題を議論します。次にドローン技術の最新動向
と今後の展望について、ハードウエアとソフトウエアの観点から機体、バッテリ、搭載センサ、
自律制御技術などについて現状と近未来について展望します。さらに、5G、携帯電話の上
空利用、AI等による大脳型ドローンの未来像について解説します。最後に、法規制について、
世界と日本を比較しながら、我が国が2022年に都市部上空も飛行可能となる目視外第3者上空
飛行の実現を目指していますが、その法制度の中身と準備状況について詳しく述べます。
(第2回 10月1日)
No.3 英国における鉄道事業展開
 日立製作所は2005年に英国向け高速鉄道車両174両を受注して以来、英国を重点市場の1つと
位置づけて鉄道事業を展開している。
 当初は日本国内で製造した車両の輸出からスタートし、2015年からは英国北東部に建設した製造
拠点にて車国向け車両の設計・製造にも活用している。2005年以降両製造を行っている。また、
2015年にはイタリアの車両メーカーAnsaldo Bredaを買収し、英に英国で発注された特急車両の
95%以上が弊社製車両となっており、これまで約1,600両を納入している。
 一方、英国内に車両保守体制を立ち上げ、沿線の車両保守基地で日々の保守、オーバーホールを
行うとともに、オンラインモニタリングによる保守最適化を推進している。車両部品は欧州製品を
多く採用し、英国流の保守を導入しており、品質に関する日英スタッフ間の思想の違いもあるため
日々のオペレーションには苦労も多い。
 本講演では、英国参入から今日に至るまでの経緯、英国における車両製造、日英で思想が異なる
車両保守の状況、今後の方向について紹介する。
No.4 JR東海の新幹線検修の取組みについて
 東海道新幹線では今年7月、13年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型車両N700Sが
デビューした。N700Sは高速鉄道の駆動システムとして世界初のSiC素子の採用、
バッテリ自走システムの搭載、フルアクティブ制振制御システムの採用などに加え、状態監視
機能を更に拡充させることで一層の安全・安定輸送を実現している。状態監視については、
これまでも走行中の車両機器の状態を示す様々なデータを活用して、故障の予兆検知や新たな
検修体制の構築に取り組んできた。車上、地上のハードウェアの整備に加え、平成27年には
24時間体制でデータ分析を行う部署も設置した。これらの取組みを通じて、予兆検知による
故障防止、データ活用による検査の省力化、設計へのフィードバックを組織的に行う体制を実現
している。一方で、昨今の情報技術の進展により車両検修に関わる分野においても、機械学習
や画像診断の導入等発展する余地は多分にある。本セミナーでは、JR東海における現在まで
の新幹線車両データの取得・分析システムの構築、データ分析の実績・活用方法などに加えて、
今後の車両検修に関わる新技術の導入に向けた取組みについて紹介する。
 (第3回 11月5日)
No.5 軌道の基本と最近の技術開発
 鉄道における軌道は、レール、レール締結装置、まくらぎ、道床など道床から上の構造物の
総称である。軌道は、車両からの力を直接受け止め、軌道より下部の構造物に伝える役割を
持っているが、日々の列車運行によって徐々に摩耗、変形あるいは劣化する。
 特に、軌道の構造で多く見られるバラスト軌道(バラスト上にまくらぎを敷き詰め、これに
レールを締結した構造)では、バラスト層は緩衝材および吸音材として優れた機能を有して
いるが、車両からの荷重を受けてレールの位置が徐々に変化し、軌道変位と呼ばれる軌道の
ゆがみが発生する。これが進展すると列車の乗り心地が悪化し、場合によっては脱線に至る
ため、軌道は、強度だけではなく形状も状態を評価し、定期的な保守を行う必要があるという、
一般の土木構造物とは異なる特徴をもつ。
 本講演では、このような特徴をもつ、軌道の構造及びその管理について基本的な事項を述べる。
また、鉄道総研では、低コストで持続可能な線路を目指した技術開発を進めており、それらの
一部を紹介する。
No.6 車輪・レール接触力の常時監視による車輪・レール系境界課題解決の提案
 都市内を走行する地下鉄では、路線建設上の制約から急曲線が多く存在する。このため、
車輪のフランジ摩耗やレールの側摩耗、また、波状摩耗等が発生する頻度が高いと考えられる。
これらの問題に対して、急曲線の旋回性能を向上させる種々の施策がとられており、操舵台車
の採用や円弧踏面の導入等がなされている。このなかで、車輪とレール間の潤滑は車輪やレール
の摩耗に対して直接的に作用するため、それにより得られる効果は大きいが、過度な潤滑は
車輪の空転や滑走につながる。そこで、東京メトロでは、営業線において、車輪とレール間に
作用する接触力等のデータを常時監視する手法を開発し、それによって、車輪・レール系の
諸問題を解決する概念を構築したので紹介する。また、これらの技術の応用例として、摩耗
したレール上を走行する転削直後の車輪や摩耗車輪の曲線旋回性能を評価し、レール側からの
潤滑を考慮した最適な踏面形状を開発したので併せて紹介する。
(第4回 12月3日)
No.7 警備ロボットへの画像解析技術の開発と実装までの道のり
 近い将来、私達の生活を支えるためロボットが人々の暮らしに溶け込み、様々な業務を肩代
わりしてくれることが予想される。セントラル警備保障株式会社は、その様な社会で人々の
安全を守ることを目的として、自律移動機能と異常検知機能を実装した警備ロボットを開発した。
ロボットの導入によって、警備員の労働力不足への対応や、警備品質の向上が期待できると考える。
警備ロボットに搭載された高性能カメラとエッジコンピュータを用いて、白杖や刃物などの物体
認識及び顔認証の機能が実装されている。物体認識にはCNN (Convolutional Neural Network:
畳み込みニューラルネットワーク) ベースのディープニューラルネットワークを採用した。長年の
経験と実績によって蓄積してきた知見に基づいた独自の学習データセットを作成するため、警備
現場の環境を再構築したスタジオでの撮影と背景画像の撮影を別々に行って、より精度の高い学習
モデルの構築を行った。
 近年、自動掃除ロボットや移動支援ロボットなどの導入が進んでいるが、セントラル警備保障は
「警備」という自らが長年専門としてきた分野にAIのパワーを得たロボティクスを活用し、多種
多様な警備機能を実装することを目指している。
No.8 ユーザー視点におけるサービスロボット実装導入への取組みと課題
 今後の日本は、少子化の影響などによる労働者人口減少顕在化が想定され、単純労働、重労働、
危険を伴う労働の補助・補完機能としての人工知能(以下、AI)やロボット技術の活用が期待され
ている。しかしながら、公共空間など人々の日常生活に寄り添うサービスロボットについては、
実証実験などで話題になることは多いが、その後の導入拡大が進んでいるとは言い難い。
 JR東日本グループでは、駅などのフィールドを活かし、多くの企業の協力を得ながら、自律
移動ロボットやAIを活用した実証実験を実施し、ユーザー視点からのサービスロボット実導入に
あたっての課題洗い出しに取り組んでいる。なぜ、サービスロボット導入が進まないのか。見えて
きた課題については、「関係者の複雑性」「既存施設の制約」から「ルール整備」まで様々であり、
その一つひとつをロボットベンダーとロボットユーザー双方が協力して解決していく必要があると考える。
 本講演では、これまで取り組んできた実証実験事例をもとに、サービスロボット導入の課題について、
ユーザー視点からの考え、実導入に向け取り組むべきことなどについて紹介する。