活動実績
平成18年度に発刊した「解説 鉄道に関する技術基準(車両編)」改訂版がどの様に利用されているかの調査と、さらに改訂すべき項目の調査などを進めた。またこの「解説 鉄道に関する技術基準(車両編)」に準じて「解説 軌道に関する技術基準(車両編)」の検討を進めた。
平成18年度より関東・中部地区の車両担当課長を中心に定期的な連絡会議を、2ヶ月に1回開催し、技術情報、保守情報、故障情報などの活発な情報交換を行ってきた。平成20年度も、設備・車両の視察と併せて開催し、技術交流のさらなる充実を図った。
従来の地方中小私鉄に加え、大手民鉄等の安全教育をも年頭においたテキストの充実を図り、鉄道事業者の安全教育のニーズにタイムリーに応えられるよう準備を進めた。
車両設計技術・メンテナンス技術の継承を目指して、技術図書・資料の電子化(PDFファイル化)に取り組み、電子資料の蓄積を進めた。
教育および知識普及活動の一環として、若手機械関係社員を対象に、プランナーとしての心構えなどを教育する新たな試み「機械技術セミナー」を企画し開催した。
昨年度に引き続き、エネルギーマネジメントのあるべき姿についてまとめ、報告書として「実例から学ぶ:駅と駅ビルのエネルギーマネジメント ハンドブック(空調設備)」を編集し、11月に発刊した。
故障事例について、さらに過年度分の追加を行うと共に、故障について横断的な分析を試みた。従来の周期的な検査系に加え、常時監視やモニタリングシステムの在り方についての検討を進めた。
一昨年刊行した「鉄道駅のエレベーターハンドブック(改訂版)」の利用実態などに関してアンケート調査を行った。その中で、エスカレーターでの問題が多いことが明らかになったため、エスカレーターに絞り込んでの検討を進めた。
危険品輸送に関する問題点並びに改善方について、当協会から報告した内容を基本とし、JR貨物における「危検品輸送安全専門委員会」の討議結果を踏まえ、貨物運送約款並びに関係規程の改正に対応した、社内外の教育、説明用の「危険品輸送の解説」の編集を検討していたが、規程改正が遅れたため、受託事業の危険品異常時処理体制等の整備に集約した。
私有コンテナ・ISOコンテナの制度に関しては、「危険品輸送安全専門委員会」において危検品と同様に審議されており、改正に対応した顧客対応並びに説明、教育用の手引書の編集を検討した。次年度に「コンテナによる鉄道貨物輸送の手引書」として作成する。
昨年度と同様に企画書による競争入札に応札し受託した。「軌道」では、性能規定化を目指した「解説軌道に関する技術基準(車両編)」の作成に向けての作業を進めた。「鉄道」では、速度計精度の技術基準(解説)への反映と昨年度の省令改正に係わる運用のトレースと改善を行った。
(各鉄道事業者:継続)従来の地方中小鉄軌道事業者を対象に列車運行の安全確保を目的とした技術教育を行うと共に、大手民鉄事業者も公的機関による教育および技術評価が必要とされており、これらの要請に積極的に取り組んだ。平成20年度としては上信電鉄(株)殿から車両の更新計画への調査を、高松琴平電気鉄道(株)殿からは安全性向上投資に関する調査を受託した。
(JR西日本:継続)昨年に引き続き主回路を構成する主要機器および主回路周辺の共通機器を対象に、各分野の専門家による委員会を設置し、選択設計と保守マニュアルの検討を行った。平成20年度は主変圧器、リアクトル、主電動機などを対象に作業を進め、報告書をまとめた。
Suica等によるIT技術の進展の中での駅のサービスおよび機器などのあり方に関して昨年度に引き続き「次世代の駅の在り方委員会」にて調査研究を行い、年度末に報告書をまとめた。
(JR貨物:新規) 国鉄時代には、危険品輸送に関する国連勧告に準拠した危険品を、危険性の種類、程度により分類・グループ化し、グループごとの応急処理要領を作成した。
JRに移行してからもこれを一郎改正のうえ、踏襲してきた。今回の運送約款の改訂に伴い、危険品輸送における異常時の応急体制の整備と作業標準の全般的な見直しを行い、これを報告書にまとめ提出した。
複合輸送に不可欠なコンテナの輸送機器としての安全性の確保と商品価値保持のため、主に協力会社において実施している定期点検、修繕、清掃についての標準的な示方書をまとめ、各社の施行内容の統一、品質向上を目的とした標準の見直しを行い、報告書にまとめ提出した。
車両関係および機械関係の工事施工技術者に対する資格認定のための講習会および認定試験を行っている。平成20年度は車両関係の受講者は 、1,625名であり、機械関係の受講者は 、2,865名であった。
年度当初は車両用材料燃焼性判定試験を約900件(コーンカロリーメータによる試験約50件を含む)の受託で計画した。試験依頼は年度当初の計画より増加し、平成20年度の実績としては1,056件(コーンカロリーメータによる試験75件を含む)となった。
多くの優秀な論文が寄せられるよう、民営鉄道、公営鉄道および関連メーカーにも参加を呼びかけた。その結果、応募件数は論文の部で50件、提案の部で15件であった。
2月5日、6日に研究発表会を開催し、論文の部では20件の発表を行い、鉄道局長賞、優秀賞2件、優良賞2件、特別賞2件を選定し表彰した。提案の部では5件の発表を行い、優秀賞1件を選定、表彰した。特別講演では 東京都交通局の「新交通 日暮里・舎人ライナーについて」を行った。
鉄道固有技術およびその周辺技術に関する8テーマで計4回にわたって計画した。平成20年度は東急電鉄、京阪電鉄、東京地下鉄などの鉄道事業者の各社固有の技術の紹介を新たなテーマとして設定した。いずれの回も好評で例年より多くの参加者を得た。
鉄道設計技士(鉄道車両部門)試験の受験準備を目的に、分野別専門講師による講習会を7月26日に開催し、41名の参加を得た。
ベルリンで開催された「lnnoTran82008」の視察を中心に ヨーロッパ主要都市(ベルリン、フランクフルト、ブリュッセル、ロンドン、パリ)を高速列車を利用して移動することで計画した。今年度からは新たな試みで個室利用を基本として募集を行い23名の参加を得た。期間は9月23日出発、10月4日帰国であったが、出発直前にユーロトンネルでの火災事故が発生し、予定した列車が運休となるなど移動について懸念されたが、ほぽ当初の計画で視察進めることができた。報告書をまとめた上で報告会を2月25日に開催した。
鉄道事業者及びその協力会社の若手機械関係社員を対象に、プランナーとしての心構えなど、経験者を講師とした講習を行い、企業人としてのあるべき姿を「技術セミナー」の名称で10月16~17日に開催した。 16名の参加を得て、経験豊富な講師からの講義と自主討論などを行い、有意義な教育の場を提供することができた。
幅広い読者層に親しまれる技術専門誌として、新しい研究開発の紹介や技術解説、現場でかかえる技術課題などを掲載し、内容の充実、判りやすい記述、タイムリーな情報掲載に努めてきた。2月の編集委員会にて「R&m」優秀記事の選定を行った。
昨年度に編纂を進めた鉄道車両親指導書「気動車編」の原稿の最終校正の作業を進め、平成20年度末に印刷・発刊した。
平成19年度に第1巻として発行した「電気連結器のはなし」に続いて平成20年度は第2巻となる「継電器のはなし」を編集した。平成20年度末に印刷・発刊した。
機械関係者連絡名簿(平成20年度版)を8月に発行した。
別功績賞、功労賞、功績賞、優秀技能賞の募集を行い、3月26日に開催する表彰選考委員会で選定を行った。また「R&m]優秀記事の選定・発表は前回の規約改定に則り、今年度からは2月の編集委員会での決定後、速やかに選定結果を公表することにし、「R&m」誌4月号に選考結果を掲載した。
各支部担当者の尽力により、平成20年度3月末日の実績では、平成19年度末と比較して、団体会員は12社増の914社、個人会員は126名増の6,113名となった。
新に「公益法人新制度検討会」を組織し、毎月第三月曜日に検討会を開催し、公益法人移行に関する問題点の摘出、移行後の形態のありかたの検討、移行に併せての定款の見直しの検討、移行スケジュールの検討などを進めた。