活動実績

業務活動実績

27年度の業務活動実績

 協会は設立20周年を一つの通過点として、新たな20年に向けて歩み出した。そこでこの節目の機会に、理事会の諮問を受けて、事業運営会議を中心に約1年間に亘って今後の協会の進むべき方向について検討を進め、検討結果を「中期計画」(平成27年度から平成29年度)として取り纏めた。

 これに基づき、その初年度となる平成27年度は、協会の目的である鉄道の安全確保と運営改善の推進に寄与すべく、これまで推進してきた各種施策の充実強化を図るとともに、新しい切り口での取り組みを逐次具体化し、会員にとってより魅力度の高い協会へと成長するよう努めた。

 収支面では、平成27年度は前年度に比べ受託研究は減少したが、会員増強キャンペーンキックオフを平成27年5月に行い会員増強による収入増に努めた。また、車両用材料燃焼試験事業、機械関係技術認定試験事業についても、前年度に比べ増収となった。一方、支出面では会員サービス強化に要する諸経費の増、消費税引き上げ後の関連物価上昇の影響、「車両安全技術委員会」の新設や「中期計画」の課題検討のための体制強化等に伴い経費増となったが、併せて経費節減に努めた結果、約190万円の黒字を計上することが出来た。

 良質な会員サービスの提供のためには健全な財政基盤が不可欠であり、これを維持し強化していくため、平成28年度においても更に一層の収入増と経費節減に努める。

 以下に平成27年度に当協会が実施した事業等の概要を記す。

1.協会業務運営体制の強化

(1)「車両安全技術委員会」の新設

 「中期計画」に基づき、専門的かつ継続的に車両に関する安全問題を議論する常設委員会として、平成27年9月に「車両安全技術委員会」を新設し、活動を開始した。

(2)「技術継承のための教育訓練等」に関する検討体制の整備

 「中期計画」の検討過程において、協会に対して会員から多くのご要望が寄せられている技術継承のための教育訓練プログラムの内容等について、理事会の諮問を受けて事業運営会議において俯瞰的に検討を進めた。平成28年度についても引き続いて検討を深度化させる。

(3)会員増強活動の実施

 本部、支部一体となって、平成27年度から2年間に亘り「会員増強キャンペーン」を展開して新たな会員の入会慫慂に積極的に取り組み、会費収入比率の改善を目指すこととした。その結果、平成26年度末に比べて個人会員については約400名の増となったが、団体会員については微減となった。

 これに対応して、前期より開発を進めてきた「会員台帳・会計処理システム」を新たに導入するとともに、「職場相談員委嘱規程」を制定し、個人会員の皆様と協会との重要な橋渡し役を務めていただいている「職場相談員」の制度確立を図った。

(4)技術認定試験事業支援システムの開発

 車両関係技術認定試験受験者のデータベース構築およびプラスチックカード化認定証発行等の支援システムについて開発を進め、本格的に導入した。平成28年度は引き続いて機械部門に展開をしていく。

(5)「事業運営会議」への諮問

 平成27年度は、理事会から「協会の財務基盤の健全化方策」および「技術継承のための教育訓練プログラム等」の2つのテーマについて、「事業運営会議」へ諮問し検討を進めた。

(6)総会運営の充実
ア.「特別講演」の実施
 平成27年度は、東日本旅客鉄道株式会社の小縣取締役副会長に「オープンな経営・技術革新とオープンなグローバル化の相乗的展開」と題してご講演を頂いた。
イ.委員長による委員会の活動報告の実施
 平成27年度は、事業運営会議の中井委員長、車両委員会の遠藤委員長、機械委員会の高橋委員長から委員会の活動状況についてご報告を頂いた。

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2.調査研究及び試験事業

[自主事業]

(1)車両関係

 道における安全・安定輸送が強く求められる中、車両関係における調査研究としては、これまでも品質向上と技術継承を主要なテーマとして取り組んで来ている。

 平成27年度においては、車両委員会の下に「技術の展開部門」を創設し、新たなジャンルの課題として、車両用検修設備設計マニュアルの作成に取り組むための「準備調査会」を立ち上げ取り組んできた。また、従来から取り組んでいる課題を持続的に確実な成果に結びつけていくと共に、関係個所から期待される諸課題にも積極的に取り組んできた。

 加えて、新たに策定された中期計画に基づき、「車両安全技術委員会」を立ち上げ、その委員会の事務局を平成27年度は車両部が担当し、平成28年度に新規に設立される「安全技術部」へのスムーズな移行に向けて活動を展開してきた。

 なお、車両関係における中期的な調査研究の進め方については、前年度までに平成27年度から平成29年度までの3年計画を策定している。

ア.「車両安全技術委員会」と各部会の発足
 新たな中期計画に基づき、専門的かつ継続的に車両に関する安全問題を扱っていく常設委員会として、平成27年度に「車両安全技術委員会」を新設し、その下に「有益情報評価部会」「安全性向上調査研究部門」「検修技術向上調査研究部門」を立ち上げ、活動を開始した。
イ.車両に係る品質向上
 ①「車両用台車の車両検修の信頼性向上作業部会」の設置
 車両用台車の検修上の信頼性を向上するために、新型台車から旧型台車に至るまで検修上の手順やポイントについて調査検討を行い、平成29年3月を目途に活動成果を報告書にまとめるための作業部会体制と、その支援協議会を立ち上げ、各々の会議と見学会を開催した。
 ②「有益な車両不具合情報の評価会」の設置と情報提供活動の開始
 平成26年度に国土交通省から受託した調査検討課題として、「地方鉄道にとっても有益な、簡潔で分かり易く加工された車両不具合情報の提供」を試行し、鉄道事業者133社他から支持を得ることが出来た。この成果を踏まえ、27年度からは協会の自主事業として、過去に発生した重大事例を元に、それを簡潔で分かり易い有益な不具合情報に加工するための評価会を協会内に設け、平成26年度に構築したメールによるネットワークを活用して、鉄道事業者128社への情報提供として、平成28年3月までに、第1号~第3号までを発信した。
ウ.車両に係る技術継承
 ①「車両用台車」の出版作業部会
 電車及び新幹線電車の台車を設計する際に必要な技術ポイントをまとめ、鉄道事業者の台車設計に携わる技術者、併せて検修技術者にも参考となる教科書を目指し、平成26年度に作業部会を立ち上げ、平成27年度は台車設計に際して知っておくべき事項、台車設計時の手順をまとめ執筆するための具体的な内容について検討を行ってきた。なお図書の刊行は平成29年3月を予定している。
 ②車両関係「若手管理者を育成するスキルアップ塾」の開設
 平成25年度に開講した「現場管理者等を養成するスキルアップ塾」の名称を「若手管理者を育成するスキルアップ塾」に変え、管理者としての品質、安全に関し体系的なスキルの習得及び受講者の連携強化を図り、将来の幹部候補になり得る人材の育成を行ってきた。
平成27年度は第2期生の1年目に当たり、特別講議も含め6回の講座を開き、見学会を含めて実施した。学習の成果として個人及びグループ毎に報告書を作成し、平成29年3月に修了する計画である。
 ③「地方鉄道の車両保守における技術継承研修会」の開催
 JR各社・大手民鉄各社の協賛により、平成26年度に製作したECテキストを活用して研修会を開催した。
 また、研修会を今後も継続的に開催するために、「地方鉄道の技術継承研修会の開催協議会」を関係JR、大手民鉄、関係協会、国土交通省の参加で開催し、今後の実施に向けての方針等の審議・検討を行った。
エ.車両に係る技術展開
 車両用検修設備設計マニュアルの作成のための「準備調査会」を立ち上げ、次年度に立ち上げる「車両用検修設備設計マニュアルの作成作業部会」に関する資料や情報等を収集し、基本的な考え方、推進体制等の検討、準備を行ってきた。
オ.鉄道事業者共通課題の定期的情報・意見交換
 平成26年度に引き続いて、公営・民営鉄道事業者の車両担当部長の連絡会を本部主催で開催し、また、JR東日本、関東・中部地区の公営・民営鉄道事業者の車両担当課長を中心とした定期的な連絡会議も前年度に引き続き2ヶ月に1回開催し、技術情報、保守情報、故障情報などの活発な情報交換を図ってきた。
 さらに、関西地区の鉄道事業者の担当者レベルでの情報交換、課題の抽出・対策の検討、開催地での事業所見学会等を行う車両担当者連絡会を、関西支部主催で引き続き開催した。
カ.全国鉄道事業者車両担当課長連絡会の開催
 全国の鉄道事業者が従来から取り組んできた技術情報や保守情報等の共有化を行い、事故防止の向上や効率化を図ること等を目的として、平成26年度に設立した全国車両担当課長連絡会を、平成27年度は九州ブロック幹事主催と、協会本部主催により2回開催し、それぞれでアンケート回答による情報交換と特別講演会を実施した。
キ.電子機器等の誤動作防止に関する研究会への参加
 事業者及び設計製造会社等の電子機器等に関する故障防止関係の情報の共有化を目的としたノウハウ集を整備する研究会が国土交通省に設置されている。当協会はその研究会の幹事として、(一社)日本鉄道車輌工業会と共に引き続き研究会に提示される事例等の資料のデータ分析及び取りまとめを行った。
ク.車両関係工事施行技術者資格認定制度の教本等の見直し
 平成26年度の資格認定制度業務担当者会議の審議を受けて、車両関係工事施行技術者資格認定制度に関して、テキストの見直しや試験方法の見直し等、内容の充実とレベルの向上を図るため、資格認定制度の運用管理者会議、担当者会議を開催し、その徹底を図った。
ケ.車両用材料燃焼性試験方法等の実態調査検討会のまとめ
 当協会の車両用材料燃焼性試験は、車両の火災対策として安全性を支える重要な業務である。26年度に立ち上げた「実態調査検討会」において、他分野における燃焼性試験等について知見を広めるとともに、現在の試験の細部についても検討を加え、より信頼性が高く申請者も利用しやすい試験とするために、2年に亘る調査検討会で検討を進め、平成27年度末までにその成果を、「実態調査検討会報告書」並びに「鉄道車両用材料の燃焼試験の手引」として冊子にまとめた。
(2)機械関係

 近年、鉄道において安全性、快適性、バリアフリー、環境問題等に対する社会的ニーズが非常に高くなってきており、ホームドアや昇降機、空調等の機械設備が加速度的に増加している。今後も東京オリンピックに向けて、機械設備(ホームドアの整備等)の大幅な増加が見込まれる。

 一方で設備の老朽化や設備増に対応して効率的なメンテナンスのニーズが一段と高くなっている。

 また、平成26年度から昇降機に耐震対応が求められ、新設のエスカレーターについては、設置基準等が示されたが、既設の更新時期を迎えるエスカレーターについては、具体的対応が現在示されてない状況であり、課題となっている。

 このような中で、機械委員会では、中長期のビジョンを作成した。

 鉄道における機械設備は、その使用条件・施工条件などで特殊な場合が多く、システムの最適化や効率的なメンテナンス、マネージメント等の成果を上げるには、鉄道事業者、メーカー、工事・サービス会社間の連携が不可欠の状況になっている。そのため、従来から機械委員会において各技術小委員会を設置して、分野別に検討を進めることによって課題解決に一定の成果を出してきているところである。

 平成27年度は、常にお客さまや社会のニーズに対応していくことを念頭に、機械委員会の下で策定された中長期ビジョンに沿って、以下の活動を実施した。

 また、その中期ビジョンに基づき、平成27年度からの3年間を対象とした調査研究活動の中期計画(基本的考え方、実施件名(案)等)を策定した。

ア.機械企画小委員会
 教育及び知識普及活動の一環として、若手機械関係社員を対象とした技術伝承について、機械技術セミナーを引き続き実施した。
 また、最新技術等の視察見学会についての検討を進め、初めての試みとして機械設備に絞った北陸新幹線の白山総合車両所の視察を計画し実施した。北海道から九州まで多くの車両検修設備関係者が参加し大変好評だった。
イ.エネルギーマネージメント技術小委員会
 現在、鉄道事業者各社では、空調設備の老朽化が進んでいるが、更新は後回しにされ老朽取替えが進んでいないのが、現状である。
 エネルギーマネージメント技術小委員会において、より効率的なエネルギーマネジメントを実施するために、鉄道施設内における中小規模建築物のエネルギーマネージメント手法について研究を行ってきた。
 具体的には、以下のとおりである。
  • ・省エネルギーを取り巻く最新の情勢の分析
  • ・中小規模設備(駅・駅ビル・事務所ビル等)のエネルギーマネージメント
  • ・鉄道施設への展開
  • ・鉄道施設へのZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化の検討
 27年度は、協会委員が必要としている空調設備の老朽取替え情報をアンケート調査した。今後は、その実態を把握し、従来の研究成果にこれらを加えて28年度上期を目標に、ハンドブックを作成する。
ウ.機械設備メンテナンス技術小委員会
 ICTを活用した効率的なメンテナンスを研究し、今後のメンテナンス手法の革新に向けて提言する。
具体的には、一般企業でICTを活用した効率的なメンテナンスを実施し、大きな効果を上げている事例(リコー、コマツ、アズビル)を研究し、鉄道の機械設備にどう活用できるかについて研究した。
 さらに、ネットワークシステムを活用して機械設備の運用部門に対するサポートシステムを構築している事例について各事業者の実態を調査し、28年度上期を目標に報告書を作成する。
エ.昇降機技術小委員会
 新設や更新時期を迎えるエスカレーターは、平成26年度から耐震対応が求められ、既設のエスカレーターの対応も含め大きな課題となっている。
 昇降機の取替えや大規模な改良工事は、使用を休止して実施しなければならないため、短期間での施工が望まれるが、施工上の制約が多く、かなりの時間と費用がかかっている。
 本年度は、引き続き駅のような環境でも取替えしやすい昇降機の研究を行い、駅の昇降機仕様として確立していく。
 新たなテーマとして、取替え困難なエスカレーターについては、主要部品の取替え等による延命化対応が課題であり、具体的対応方法について研究した。
 以上の事柄を整理し、28年度中に報告書を作成する。
 今後はさらに、既設エスカレーターの耐震対応のあり方についての研究や新たな安全対策の研究を進める。
オ.ホームの安全確保技術小委員会
 ホームの安全性向上を目的とした設備には、点字ブロックをはじめとして各種のものがあるが、中でも可動式ホーム柵は最も有効な設備として設置が進められている。
 そこで、各鉄道事業者が導入している可動式ホーム柵を調査し、各種仕様や機能などがわかる手引きを作成することを目的に、平成24年度末に本小委員会を設立して活動を開始した。平成27年度は、昨年度に着手した各鉄道事業者に対するアンケート調査や現地調査を引き続き実施した。これまで、各社局の腰高式や昇降式等の現地調査により、各種仕様の理解を深めると共に、技術的な課題等について意見交換を行って来た。平成27年度は、昨年度に実施した各鉄道事業者へのアンケート結果に基づき、深堀した意見交換や現地調査を引き続き実施した。さらに、これらの活動により得られた知見等を集約し、ホームドアの設計条件・仕様等 を整理したハンドブックを平成28年度中に作成する。
(3)貨物技術関係

 平成27年度は、貨物技術委員会の下でJR貨物社員に対し、
・協会への入会
・協会主催研究発表会への応募・参加
・貨物技術委員会委員、作業部会委員、事務局相互の意見交換
等を慫慂し、臨海鉄道を始めとするJR貨物の関連会社にも協会への入会を慫慂した。

 また、以下の活動を実施した。

ア.貨車の効率的な運用に関する研究
 ①回送待ち等運用ロス解消の研究
 定期検査のための貨車の抜き取り後の検修基地への回送、また検査完了貨車の運用基地への回送について、回送待ちや検査待ち等のロスを防止するための調査研究を行い、報告書作成に向けてデータを整理した。
 ②貨車の編成交検の可能性の研究
 現在貨車の交番検査は列車編成の中から検査周期を見て1両ずつ抜き取って検査を施行し、検査が完了した車両は予備車として留置し、列車編成の中から検査のために抜き取られた他の車両の補充に充てられている。そのため入換作業は複雑になり、予備車の使い方も偏ったものになっている。編成交検を実施出来れば、入換作業は単純になり、大幅に減少する。また、予備車を含め貨車の使用方も均等化される。
このため、今まで編成交検が出来なかった原因を調査し、その実現に向けた研究に着手した。
イ.駅社員に対する入換作業等の教育資料作成
 貨物駅の社員には入換作業をはじめブレーキテスト、組成検査、積付検査等技術的な知識が要求される。しかしながら社員に対する教育には統一されたものが無く、各現業機関により内容が異なっているため、他の現業機関では通用しないことも多い。
 このため、何処でも使える基本的・標準的な教育資料について作業別に分けて3年間で作成することとし、写真や図を入れて欲しい等の現場からの要望にも応えつつ、27年度分を作成した。

[ 受託事業 ]

 平成27年度の主な受託調査研究は、以下のとおりである。

(1)鉄道及び軌道の技術基準の運用状況等に関する調査検討(車両関係)(国土交通省:継続)

 鉄道に関する技術基準の見直しに関して、平成26年度に引き続き、平成27年度も公開競争入札に応募し、2件名について受託することができた。

 これを受けて、有識者や鉄道事業者からなる2つの検討作業部会「車両関係:電気車」、「車両関係:気動車」を設置し、基準の運用状況をアンケート等で調査するなどの作業を進め、その結果を報告書として提出し完了することができた。

(2)気動車の技術検討及び評価委員会(エンジン・変速機の検査内容見直し)(JRグループ5社:継続)

 JR北海道、東日本、西日本、四国、九州各社で将来のエンジン・変速機の解体検査周期延伸を行うため、平成22年度から技術検証等を行う検討会の事務局業務を受託運営してきている。

 平成27年度も、平成26年度に引き続き、気動車のエンジン・変速機の検査内容を見直すために、有識者やJRの実務者からなる評価委員会を1回、幹事会を1回、事務局会議を6回開催し、試験車のデータ収集等による現状分析や評価方法等を検討し、今後の試験終了に向けた方向性について一定の検討結果を得ることができた。

(3)車両の電子化・情報化の進展とライフサイクル上の課題
  (ジェイアール西日本テクノス、JR東日本テクノロジー:継続)

 今後の車両技術開発を展望して、車両の電子化、情報化の進展に伴い、車両の設計、製造、運用、メンテナンスにどのような課題が発生するか、また、それらに対してどのように対応していくべきかについて、3年計画で体系的に取りまとめを進めて来たが、平成27年度はその2年目として、執筆の分担や主な内容等についての検討を進めてきた。

(4)鉄道駅設備における今後のメンテナンスのあり方(JR東日本メカトロニクス:継続)

 昨年度に続き、鉄道駅設備の安全性向上・コストダウンを目指した今後の鉄道駅設備のメンテナンスのあり方についての研究を行った。出改札機器に関しては、機器から得られる監視データや点検・修理・予防保全措置等に関する過去のメンテナンスデータを分析し、効果的な予防保全方式を検討した。また、昇降機に関しては、合理的なメンテナンスの実現のためのデータ活用の方法を検討し、そのために必要なデータの取得・蓄積方法の検討を行った。

(5)駅構内におけるロボット技術の導入可能性の研究(JR東日本メカトロニクス:新規)

 国内外のロボット技術の最新事情を調査し、鉄道駅構内におけるロボット技術の利用可能性を多角的に検討して、具体的な提案を行うための基礎資料を整備した。

 具体的な調査項目として、鉄道関係者によるブレーンストーミングを実施し、アイディアを収集し、ロボット開発者等有識者へのインタビューで鉄道駅構内に導入可能なアイディアを聴取した。

 以上から詳細検討すべき利用場面の絞り込みを行い、利用可能性の検討(技術面の裏付け調査、導入時の課題整理等)を行った。

(6)貨車の検査成績表の作成(JR貨物:継続)

 貨車の検査成績表は各支社、各現業機関により作成されているが、それぞれ得意分野と不得意分野があり統一されたものになっていない。そのため、何処で検査したものも、誰が見ても判るように統一した検査成績表の作成について前年度に引き続き取り組み、構造別に2種類の表の作成を考えていたが、JR貨物の要望を受け、形式別に3種類の表を作成することとし、2形式のものを作成した。

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3.技術認定試験事業

 平成27年度は、車両関係で1,515名、機械関係で3,937名の受講、受験が行われた。

 平成27年度には、さらに公正性を高める観点から、車両関係の試験実施方法細部について見直しを図った。

 また、平成26年度から技術認定試験受験者のデータベース構築、技術認定業務の正確性向上、受験各社様へのサービス向上等を目指した。車両関係技術認定試験事業支援システム構築を進めて来たが、平成27年度から本格的に導入した。これに伴い紙製であった認定証についてもQRコード・顔写真入りのプラスチックカード化を図った。加えて、車両関係の稼働状況を見極めつつ、機械関係の技術認定にも展開を図るため、検討を開始した。

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4.鉄道車両用材料燃焼性試験事業

  この数年、鉄道車両用材料燃焼性判定試験の依頼が増加傾向にあり、平成27年度は1,789件(コーンカロリーメータによる試験97件を含む)と過去最高の受託件数となった。

5.教育及び知識普及事業

(1)研究発表会及び特別講演会の開催

 研究発表会は2月25日、26日に開催された。
JR3島各社をはじめ、公営・民営鉄道及び関連グループ会社、関連メーカー等従来あまりご参加をいただけていない多くの会員会社の方々に、より多く参加していただける発表会とするため、「応募しやすい、参加しやすい研究発表会」を目指し、改善を図った。今年度から新たな方式として3部門方式とし、「安全・故障防止対策部門」の32件、「技術開発・サービス向上部門」の34件、及び「作業改善・提案部門」の19件、3部門合計84件の応募論文中から、「安全・故障防止対策部門」「技術開発・サービス向上部門」の各10件、「作業改善・提案部門」の7件の、27件の論文が発表された。

 昨年度に引き続き国土交通省の後援を得つつ、3部門を通じて最も優秀な論文には「鉄道局長賞」を、それに次ぐ他の2部門の最も優秀な論文には「会長賞」を授与したほか、優秀賞3件、優良賞4件及び特別賞3件などが授与された。

 併せて、特別講演会を開催し、近畿車輌㈱代表取締役社長森下逸夫様から「今後の鉄道車両業界と当社の生きる道」と題してご講演をいただいた。

(2)「車両と機械」技術セミナーの開催

 鉄道固有技術及びその周辺技術に関する9テーマについて、9月から12月まで計4回開催し、日立製作所、東京地下鉄、鉄道総研、JR東海、JR東日本、小松製作所、オムロンソーシアルソリューションズ、JR貨物、東芝の皆様からご講演をいただいた。また、1月には関西地区においても開催した。聴講者は延べ380名であった。

(3)「機械技術セミナー」の開催

 鉄道事業者及びその協力会社の若手機械関係社員12名が参加し、企画力育成を目指した「機械技術セミナー」を開催した。

(4)鉄道設計技士「試験区分 鉄道車両」受験対策講習会の開催

 鉄道設計技士(鉄道車両部門)試験の受験準備を目的に、分野別専門講師による講習会を7月25日に開催した。受講者は45名と多数のご参加をいただいた。

(5)第20回海外鉄道調査団の派遣

 平成27年度は、ヨーロッパの鉄道駅における機械設備の状況、バリアフリー対策、ユニバーサルデザインなどの調査に重点を置きつつ、車両関係の調査も併せて実施した。訪問箇所はデンマーク、スエーデン、オーストリア、フランスで、10月7日から16日まで10日間の行程で実施した。参加者は20名で、その結果は11月の理事会に報告するとともに報告書にまとめた。

(6)専門技術研修「集電装置編」の開催

 昨年度に出版した「鉄道電気車両主回路シリーズ(集電装置編)」について、著者自身による研修会を関東で10月及び関西で12月に各1回開催し、合計56名の方にご参加いただいた。

(7)ポスターセッションの開催

 多くの会員からの「メーカー会員企業の技術情報発信」の要望に応えるため、初の試みとして定時総会に併施する形で「ポスターセッション」を開催し、15社からパネル38枚の出展をいただき、多くの方にご来場いただけた。

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6.刊行物発行事業

(1)協会誌「R&m」の刊行

 幅広い読者層に親しまれる技術専門誌として、新しい研究開発の紹介や技術解説、現場で取り組んでいる諸課題などを掲載し、充実した内容、判りやすい記述、タイムリーな情報掲載に努めた。

 また、会員に、より読まれる会誌とするために、メーカー各社、公民鉄各社、メンテナンス各社等からの記事による特集記事、企画記事を随時計画した。併せて、読者に対する提供情報量拡大の観点から、広告掲載の拡大に努めた結果、北陸新幹線特集及び新春座談会などに協賛する形を含めて、多くの企業に広告を掲載していただけた。

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7.各種表彰

 平成27年6月18日の定時総会開催日に、平成26年度表彰として、片方 威氏に特別功績賞を贈呈するとともに、功労賞20名、功績賞5名、優秀技能賞30名の方々と、「R&m」の平成26年中の掲載記事の中の優秀賞5件、特別賞2件を表彰した。

 また、平成28年3月23日に開催された表彰選考委員会で、平成27年度表彰として、竹内 清氏、菊池 孝氏、白川 保友氏、佐野 守彦氏、橋本 常正氏、有馬 一堯氏に特別功績賞を贈呈するとともに、功労賞20名、功績賞5名、優秀技能賞30名の方々の表彰が決定した。また、平成28年3月のR&m編集委員会で、平成27年の「R&m」掲載記事の中から優秀賞5件、特別賞2件が選考された。

 これらの方々に対する表彰は、平成28年度定時総会後の表彰式で行う。

 なお、平成27年度の全国「車両と機械」研究論文発表会における優秀論文の表彰は、平成28年2月25、26日に実施された発表会後に実施済である。

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8.電子図書館開設と充実

 平成27年度首からは「鉄道工場」「車両と機械」「R&m」全誌を本文まで検索・閲覧可能とする機能拡充を行った。

  加えて、平成27年12月からは、平成27年度定時総会時の「ポスターセッション」で紹介された各社の技術についても電子図書館に収納し、全員の皆様にいつでも、どこからでも、閲覧して頂けるようにした。

 また、全国「車両と機械」研究発表会論文集及びJRMA海外鉄道調査団報告書を平成28年度首から閲覧可能とするための準備を進めた。

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9.会員の動向

  平成28年3月末現在の団体正会員は910社(対前年6社減)、個人正会員は7,207名(対前年376名増)となった。