中期計画

中期計画

1.協会の目指す方向

ITをはじめとする技術の急速な進歩や経済活動の競争激化など大きな転換期にある世界において、国内では人口の減少・高齢化による社会変容も進んでいます。新型コロナウイルス感染症の世界的流行がこれらの変化を加速し、多様性のある持続可能な社会に向けた大きな動きとなっています。

国内の鉄道輸送は大幅に減少し、今後の動向も厳しい予想がなされています。一方で新たな移動手段やサービス形態等の開発も進展しつつあります。このような状況において、鉄道車両や機械設備分野を活動対象とする当協会は、この分野での技術の発展に更に取り組み、鉄道の安全確保と運営改善の推進に寄与する活動を進めていきます。(図1)

(1) フィールドの専門技術を集積した
技術セクターとしての協会
鉄道車両および機械設備等のフィールドの専門技術の継承、普及および発展に努めます。その過程で得られた知見をもとに、技術セクターとして鉄道の発展のため積極的に活動し情報発信するとともに、地域の鉄道技術を支える役割をも担っていきます。
(2) 鉄道の安全性向上と運営改善の推進
に貢献する協会
鉄道事業にとって重要な安全・安定輸送の確保、向上について、各種取組みを進めていきます。
また、事業運営の改善に資する活動について、地域鉄道も含め日本の鉄道事業のレベルアップに貢献します。
図1 協会の目指す方向
図1 協会の目指す方向
(3) 会員のニーズをタイムリーに反映した活動と連携による発展を目指す協会
調査・研究活動等の諸事業を引き続き充実させていくとともに、新たなニーズも積極的に取り上げていく等、タイムリーに活動する協会を目指します。
協会の会員構成は、鉄道事業者、鉄道車両および機械設備等の工事・保守に携わるグループ会社、協力会社、メーカーの方々等多岐に亘り、地域性や年齢層も幅広いものとなっています。この特色を生かして、会員相互のコミュニケーションの場を提供し、会員による活動と関係者の連携強化による相互の発展に努めます。
(4) 幅広い会員の参加のもと健全な財務基盤と明確な事業推進体制を有する協会
団体及び個人会員の幅広い参加のもと、協会に寄せられる内外の要望に応えて持続的かつ安定的に事業運営を行っていくため、公益的な事業に加えて収益事業も積極的に展開し、協会活動の基盤となる健全な財務基盤の実現と明確な業務運営を進めます。

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2.重点取組み事項

協会が中期的に目指すべき方向に沿い、2021年度から2023年度の3年間において取り組む重点事項は、次の通りとします。(図2)

(1) 安全性向上への取組み
鉄道の安全確保に関する諸課題は、協会にとって極めて優先度の高いテーマです。幅広く調査研究活動に取り組むとともに、有益な情報を広く関係者間で共有し活用する体制のもと、現場社員参加型の取組み等を進めます。また今後、地域鉄道へ更に活動を広げると共に、メールでの情報配信の充実等ネットワークの活用を進めます。
機械設備については、公民鉄の機械設備に携わる関係者との連携を広げ、駅での多様なニーズを考慮した安全確保に関する課題に取り組みます。特に自動化機械設備の課題解決のための活動を推進します。
図2 重点取組み事項
図2 重点取組み事項

鉄道の安全確保や品質確保に関わりの深い施行資格認定試験については公民鉄の車両関係についても同様の制度を設けます。

車両用材料燃焼性試験については、海外の動向も踏まえ、新しい設備も含めて試験方法や測定結果の定量化等について関係箇所と検討を深化させます。

(2) 技術革新・先進技術への取組み
技術革新に伴い、電子化・情報化の進展や新技術・先進技術の導入が顕著となっており、協会としても引き続き技術の進歩に積極的に対応していく必要があります。また、生産人口の減少、勤務形態の変化といった社会の動向に対応するため、人材の確保や先進技術の活用も引き続きの課題とします。
具体的には、会員各社が協会を活用して、新技術・先進技術に関する情報や知見を交換することを通じて相互の理解を深め、それを技術的施策の提言にまとめることで、情報共有化の促進に貢献していきます。また、調査研究成果を必要に応じて技術基準(省令)の改定等に反映することに取り組みます。
業務の高度化、効率化を推進するために、CBM等データ活用によるメンテナンス手法の習得及び検修設備の革新等に一層注力すると共に、鉄道車両の自動運転、検査方式の変更も含めた検修業務効率化、車両及び機械設備におけるお客様サービス向上等の諸課題に取り組むこととします。 また、各社の課題から従来の発想を越えた方策の提案など創発的な活動を目指します。
(3) 技術継承・向上のための教育訓練等への取組み
鉄道事業者各社を中心に、技術者の世代交代に伴う技術継承は会員共通の課題です。各種図書の刊行、研修会やセミナーの開催等に取り組んできましたが、会員のニーズに合った各種「車両技術講座」の開催地の設定やオンライン方式の併用など、更に充実させていきます。また、eラーニング講座を協会ホームページ上に開設し、個人会員の自己研鑽を支援します。
技術力を客観的に評価する制度について、人材の一層の活躍につながるよう具体化を進めます。
外国人技能実習制度における試験実施機関として、技術力の評価・認定等の制度の設立に向けて、検討、整備を進めます。
機械設備関係においては最新技術や現場の技術情報の共有化を図るため、ハンドブック等を基にした研修会や現場事例の発表会などに取り組みます。
(4) 会員の参加を広げる取組み
若手社員や現場社員等の会員の協会活動への参加、メーカー会員からの情報提供、調査研究成果物の会員への提供等を引き続き進めます。研修やセミナーの開催方法の多様化、電子図書館やメール等を活用した会員各位への情報提供等のネットサービスの多様化等も進めます。その中で各地域の会員相互の交流が深まることを目指して、本部、支部で取り組みます。
活動形態についてはWeb会議導入等により、地域や時間等の制約を軽減して参加の機会を増やすことに取り組みます。
また、会員にとって最も身近な『R&m』誌の編集内容の改善や、より細かなニーズに対応した情報発信、Web版等の検討を進めます。
(5) 健全な財務基盤と明確な事業推進体制を実現するための取組み
協会活動の基盤強化と健全な財務基盤の維持のために最も基本的なことは、より多くの会員の加入です。協会本部、支部の勧誘活動に加え、既会員のご尽力をお願いするものです。
協会業務については、業務マネジメントシステムにより明確な運営を行っていきます。
(6) 設立30周年記念事業
当協会は1993年(平成5年)に設立されました。2023年(令和5年)に設立30周年記念事業を計画します。具体的計画は別途検討、決定することとします。

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3.活動計画

協会の目的と目指す方向、並びに取組みの重点を具体化し、2021年度から2023年度まで、3年間程度の中で取り組む事業は以下の通りです。

3.1 調査・研究事業、技術・サービス提供事業

協会の立場を生かして、関係各位からのご協力を頂くことにより各事業者個々では取り組みがたい課題の調査研究を進めることや、客観性・不偏性のある結論を導き出していくこと等を主眼に、調査・研究事業を進めます。

また、当協会の公益的な立場に関わって期待される様々なニーズ、特に地域鉄道を含む各鉄道事業者を協会として可能な範囲内で支援していく役割を含め、関係各所からの技術・サービスの提供要請に応えていきます。

以下に、中期的な重点取組み事項(1)~(4)項毎の活動計画について述べます。

(1) 安全性向上への取組み

(車両関係)
①「有益情報」の配信・活用
有益情報の発信先拡大に取り組むと共に、配信先に対して新たに要望調査を実施して、ニーズが高い機器や車種を重点的に配信していきます。
②「車両の安全性向上調査研究」の推進
安全性向上調査研究については、「ブレーキ性能の安全性に関する調査研究」及び「故障車両の牽引方法に関する調査研究」を実施します。
③「地域鉄道との活動」の拡大
月検査の現車検修の流れを基本として部品修繕検修も含めた内容、有益情報事例での現車研修など有効な研修を行います。
④「検修技術向上調査研究」の推進
検修技術向上調査研究部会では、現場に直結した現場社員参加型の「現場立合交流会」の活動を推進します。
⑤台車枠の安全性向上に関する研究会
学識経験者、JR各社及び鉄道車両メーカー主体で構成される台車枠の安全性向上に関する研究会を継続し、設計・製造・保守の面から検討し、台車枠の安全性向上に取り組みます。
(機械関係)
①「機械設備メンテナンス技術小委員会の取組み」の推進
鉄道機械設備の事故・故障事例266件を基に「鉄道機械設備の事故・故障事例集」を発行します。また、過去の事例集も含めて検索システムを構築し、より活用しやすくします。

(2) 技術革新・先進技術への取組み

(車両関係)
①「鉄道に関する技術上の基準を定める省令第70条等に関する調査検討」
〇JISの解釈基準への引用に関する検討作業部会
JISの解釈基準への引用について、該当するJISの引用に関する解釈基準、解説の具体的な検討を加えて議論を行います。
〇車両に係る検討部会
今後のモニタリング機能を活用した保全体系の普及を見据えて、技術基準省令等のあり方について検討を行います。
②「台車の探傷精度向上の調査」の検討
国交省主催の「台車枠の探傷検査に関する調査検討委員会」に協会としてオブザーバーで参加しています。今後、具体的な台車枠溶接部の探傷方法に関して、研究会方式等関係者の動向を勘案し取組み方法を検討します。
③鉄道車両用電子機器の保守における信頼性向上作業部会
電子機器保守作業場の改善事例、保守事例、電源装置のライフサイクル管理、プリント回路板の保守の現状と課題等及び電子機器不具合情報の共有化について、報告書としてまとめます。
④「今後の車両検修に向けた車両データ活用の調査」の推進
各種データ分析に適応した分析手法の適用事例研究、モニタリング保全の概要と検修データを活用した事例の研究を行い、各所のデータに関して分析手法の展開を行います。
⑤「お客様サービスへの取組み(車両設備)」の推進
車両設備等の情報については、今後とも車両担当課長連絡会などを通してニーズの把握に取り組みます。
⑥「鉄道車両用材料の燃焼特性に関する共同研究」
EN規格及び鉄道総研のCCM-IR法(コーンカロリーメーター燃焼試験+FTIR)でのガス成分評価の比較検討を行うとともに、他の鉄道車両用材料について試験の種類を追加し、CCM-IR法によるガス分析評価指標の検討を行います。
⑦鉄道車両用材料における燃焼規格に関する調査検討
煙と火勢の定量化および測定方法に対し、データを蓄積しその妥当性を確定していきます。合わせて新たなガス成分評価手法の検討も継続し、ガス成分評価の業界標準案の作成を進めます。
⑧「検修業務効率化への取組み」の推進
メンテナンスコストの低減、将来想定される検修従事者の確保困難などの課題解決のため、検査方式の変更も含めた検修業務の効率化について取り組みます。
(機械関係)
①「昇降機技術小委員会」の取組み
昇降機の停止時間の短縮に関する研究に取り組み、お客様のサービス向上策を検討します。また、エスカレーターの停止時間の分析を行い、改善事例の整理体系化を実施し、それらの具体的事例を整理し、ハンドブックを作成します。
②「ホームの安全確保技術小委員会」の取組み
ホームドアの種々の課題を整理し、それらを集約して公民鉄の鉄道事業者も含めて役立つホームドアのハンドブックの改訂版を作成します。
③「エネルギーマネジメント技術小委員会」の取組み
信号通信機器室の空調設備について、エネルギーマネジメントを考慮した空調のあり方とともに、信号通信機器自体及び建物構造の調査研究を実施し、「信号通信機器室空調設備におけるエネルギーマネジメントハンドブック」を作成しました。今後、その成果を広めるため、研修会等を実施します。
④「駅サービスロボット小委員会」の新設
駅への自律移動型サービスロボット導入推進に向け、委員会を新設し、ロボット導入推進を図る活動を実施します。
(貨物関係)
①「車両検修業務の見直し」の推進
検査期限の迫った貨車を列車編成の中から1両ずつ抜き取り、検修箇所に回送して検査を施行していますが、入換作業を簡略化出来る「編成交検」の可能性について「貨車の効率的な運用に関する調査研究」として取り組みます。
②「車両検修内容の見直し」の推進
「コキ107形式及びコキ200形式コンテナ貨車検査周期延伸」及び「新形式電気機関車の検査周期延伸」に取り組みます。

(3) 技術継承のための教育訓練等への取組み

(車両関係)
①「効率的な車両検修に向けた検修設備の実務検討会」の推進
鉄道車両メンテナンス設備事例集の最新版を作成するため、基礎資料の収集や本検討会での検修設備に関わる課題に関する情報共有化を行います。
②「鉄道車両の機能の安全と設計知見の調査研究」の推進
鉄道車両の安全設計(機能の安全)について、基本的な考え方や事故・故障事例等からの知見をマニュアルとして体系的にまとめ、設計者の育成・技術継承に活用できることを目的として活動します。
③「ブレーキシステム・装置」に関する図書の刊行
電車及び新幹線のブレーキシステム・装置を設計する際に必要な技術ポイントをまとめ、鉄道事業者のブレーキ関係の設計に携わる技術者の参考となる図書を作成します。
(機械関係)
①「機械設備業務を継承する機械技術継承セミナー」の推進
「機械設備業務のマネジメントを継承するセミナー(若手社員向け)」と「既受講者のフォローアップ」との融合を図ったカリキュラムを実施し、機械部門の発展に寄与します。
②「鉄道事業における機械設備の課題を整理し解決するための情報展開」の実施
機械設備の運用等における問題点の解決のため、協会が中心になって全国展開等を実施し、解決を図ります。
③機械設備技術者の使命・役割とそれを遂行するための育成方法のあり方についての調査研究
機械設備の業務に携わる技術者の使命と育成の在り方も変革していく必要があり、その在り方について調査研究を行います。

(4) 会員の活動を広げる取り組み

(車両関係)
①車両保守における「若手管理者を育成するスキルアップ塾」の実施
管理者としての素養を身に着けることを目標に、2年間の教育コースとして2022年度より引き続き第5期生の募集を行います。
② 「公民鉄関係車両担当課長連絡会」の開催
情報の共有化の場として関東・中部地区の車両担当課長連絡会議を開催します。
③「全国鉄道事業者車両担当課長連絡会」の開催
JR及び公民鉄関係の車両担当課長により、技術情報、保守情報、故障情報などの活発な情報交換を行うと共に、協会活動の情報を積極的に発信します。
④「公民鉄車両部長連絡会」の開催
公民鉄の車両担当部長連絡会をWeb配信など開催方式の見直しを検討した上で開催し、国土交通省からのご講演や、各社からの情報発信、協会からの情報発信等を行います。
⑤「情報共有化」の拡大
特殊鉄道事業者への新たな取組みとして、モノレール、新交通システム等の鉄道事業者との交流を通じて課題調査を行い、情報の共有化と共に課題解決について検討します。
⑥地域鉄道事業者向けのWeb配信等の検討
各種活動への参加機会の少ない地域鉄道事業者のニーズを踏まえ、Webを活用したネットワークの充実を検討します。
(機械関係)
①「ハンドブック研修会(勉強会)」の開催
ハンドブックが完成したものから、随時ハンドブック研修会(勉強会)を開催します。
②「現場の取組み事例発表会」の開催
JR、民鉄、サービス会社等の機械設備業務に携わる現場社員の成果報告の場、聴講者が刺激を受ける場、情報共有の場、自慢の場として、全国ネットで発表会を開催します。
③公民鉄の機械設備関係者が必要とする情報提供等活動の実施
JRと公民鉄ではニーズが異なる事を考慮しながら、要望に沿ったテーマの講演会等の実施を今後も推進します。

3.2 諸制度・試験

(1) 施行資格認定制度

①車両関係工事施行技術者資格認定制度の充実
資格運用管理者会議、JR・支部担当者会議、支部担当者会議を通して運用上の課題等を解決し制度のブラッシュアップを図ります。
②機械検修工事施行技術者資格認定制度の充実
テキスト及び試験問題の見直し等を実施し、施行の安全確保を図ります。

(2) 車両関係工事施工(公民鉄関係)資格認定制度の実施

プロジェクト方式で本認定制度の枠組みを議論し理解をした上で、教本の内容等の検討を引き続き行います。今後、公民鉄向けの教本を完成させ、この教本を活用した資格認定制度の試行・運用を進めます。

(3) 鉄道分野における外国人材受入れに関する検討会

外国人技能実習制度における鉄道車両整備の職種を追加するため、協会が試験実施機関として検討会、ワーキングを設置して、厚生労働省主催の専門家会議に諮り、職種追加の省令改正へ向けて活動を行います。

(4) 技術力評価制度設立の検討

鉄道車両保守業務従事者の技術力を客観的に評価する方法等について具体的に検討を進めます。その結果を生かして、第三者的に技術力を評価する制度の構築について関係箇所との検討を進めます。

(5) 鉄道車両用材料燃焼性試験

効率的な試験実施体制を構築すると共に、今後の試験方法について、煙と火勢の定量化や海外動向を踏まえた試験方法等について関係箇所と共に検討し、更なる信頼性・有用性の向上に向けて取り組みます。

3.3 教育・知識普及活動

(1) 研究発表会及び特別講演会の開催

「安全・故障防止対策部門」「技術開発・サービス向上部門」「作業改善・提案部門」の3部門の枠組みを継続するとともに、貴重な研究成果を共有するため選考部会各委員の審査の過程での指摘事項を集約し活用することで、論文のより一層の質的向上を目指します。

(2) 「車両と機械」技術セミナーの開催

車両技術一般、先端技術による業務革新、フィールド技術に関して基礎的技術、境界領域問題、先端技術の動向、新形式車両の紹介及び駅サービスロボット、ホームドア、省エネの機械関係テーマなど幅広いテーマについて企画します。

(3) 「車両技術講座」及び「実務研修」の開講

「車両技術講座」及び「実務検修」については、関東及び関西において開催します。また、遠隔地からの参加も可能とするため、Web開催が可能な講座については、リモートでの受講も可能とし、講座受講者の利便性を向上させます。

(4) 個人会員の能力向上のための取組み

個人会員が技術知識を取得し、能力の向上を図ることを目的として、ホームページ上の会員専用ページに、eラーニング全60講座を提供します。

2021年5月より車両関係の基礎的な講座及び機械部門の管工事(1級、2級)等資格試験関係の計10講座程度の開講を計画します。その後、逐次開講します。

(5) 鉄道設計技士(鉄道車両部門)受験対策講習会の開催

鉄道設計技士(鉄道車両部門)試験の受験準備を目的に、分野別専門講師による講習会を開催します。なお、2021年度から試験内容の変更が計画されています。

(6) 海外鉄道調査団の派遣

海外における鉄道車両及び駅機械設備の状況などについて調査・視察する目的で調査団を派遣します。実施に当たっては新型コロナウイルスの状況により判断します。

(7) 専門技術研修会の開催

協会で発行する車両関係の技術図書について、執筆者自身による研修会を「専門技術研修」としてこれまで実施してきました。「補助回路システム」の他、新たに刊行する技術図書について、関東及び関西で計画します。

(8) ポスターセッションの開催

メーカー会員企業と鉄道事業者及びメンテナンス事業会社とを繋ぐ貴重な機会として、定時総会に併施する形でポスターセッションを開催します。

3.4 事業推進体制

(1) 会員サービスの一層の強化

2020年2月からWebサービスを開始し、会員相互の情報交換の場を提供してきましたが、会員が求める情報を得られるよう内容の多様化を検討します。

会員各位のメールアドレス登録により、発表会、見学会、研修会、セミナー等の開催案内、オンライン配信など会員限定の情報発信を積極的に行います。

会員管理業務の効率化を図ると共に、より一層の会員サービスの充実を目指します。

(2) 会員の勧誘と活動の活性化

協会活動への参加、会員相互の情報交換や、新たな情報がいち早く受けられるなど、会員になることでのメリットをアピールして勧誘を進めていきます。既会員のご協力もよろしくお願いします。

(3) 業務プロセスの明確化

協会活動において各種認定制度や試験等を行っており、その他の業務も含めて、業務の正確性、公平性、客観性を確保するため、業務マネジメントシステムを制定しています。

(4) 人材ネットワークの拡充

協会活動の広がりに対応し、協会関係者を核にして有識者を組織化し、会員各位への情報提供の充実と、協会活動の一層のレベル向上を図っていきます。

(5) 「メーカー情報セミナー」の開設

鉄道事業者にとって異なるメーカーの製品情報を詳細に受ける機会を設け、担当者の知見を深めて今後の業務に生かすことを目指します。

(6) 団体会員からの情報発信

団体会員が作成したコンテンツをホームページ上で紹介することや、希望者に配信する仕組みを検討します。

3.5 協会誌発行

鉄道車両機械技術に関する『R&m』誌として、その専門性・技術性を柱に、読者にとって読み易さを併せ持った誌面を目指します。また、読者のニーズにお応えし、特集記事の充実を図るため、メーカー・メンテナンス会社各社の技術記事、技術系の入門・基礎講座を随時計画し、内容を充実します。寄稿の募集についても進めていきます。

また『R&m』誌を補足する情報、ニーズが限定される情報など配信や、『R&m』誌のWeb版の検討を行います。

3.6 各種表彰

特別功績賞、功労賞、功績賞、優秀技能賞などの表彰を行います。また、全国「車両と機械」研究発表会における優秀な論文・提案の表彰、及び『R&m』優秀記事の表彰なども行い、功績、功労の高い方々を顕彰します。

3.7 電子図書館の充実

鉄道車両の技術基準(法令・解釈基準・解説等)の改正内容について、引き続き新規情報の提供を図ります。また、協会で調査・研究した報告書、刊行図書等を広く活用して頂くために、これらの電子文書化を進め、これらの内容を検索可能として、会員が有効に活用できる図書館機能を充実します。